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タカラバイオ(株) タカラバイオ(株)のホームページへ
バイオ医薬品の安全性試験サービスを日本で開始 ( 2011/5/9 )
タカラバイオ株式会社と英国ビトロロジー社(Vitrology Limited、グラスゴー市)とは、2011年5月12日付より、ビトロロジー社が実施するバイオ医薬品の安全性試験サービスを、当社が日本で独占的に提供することに合意しました。

バイオ医薬品とは、組換えDNA技術や細胞培養技術を用いて生産されるタンパク質医薬・抗体医薬や、細胞・組織を加工した医薬品または医療機器、そして当社も開発している遺伝子治療用医薬品等のことで、最近注目されている再生医療用のiPS細胞や細胞シート等も含まれます。バイオ医薬品は、化学合成で作られる医薬品とは異なり、培養した微生物や動物細胞により、生物由来の原材料を用いて生産されるため、各国の規制当局よりその製造や品質の面で特別な管理方法が求められ、開発工程においてもそれらに対応する規制を遵守して安全性にかかわる項目の試験を行う必要があります。

ビトロロジー社は、バイオ医薬品の開発を行う製薬企業や受託製造企業、研究機関などから委託を受けて試験を行うCRO(医薬品開発業務受託機関)です。同社は、製薬企業等からの委託により、バイオ医薬品の製造工程で用いられる細胞やウイルスなどの生物由来原材料やその最終製品が、意図しないウイルスや細菌、核酸等の混入により汚染されていないかなど、主にバイオ医薬品の安全性試験をGLP/GMP基準に準拠した同社の施設において、欧米や日本の規制で定められたバイオ医薬品の品質管理基準を満たす形で実施しています。

今後、当社は自社で遺伝子治療や細胞医療などの臨床開発やその商業化に取り組みながら、GMP基準に対応した遺伝子治療用ベクターの製造や本サービスをはじめとした、バイオ医薬品等の開発を支援する事業を拡大してまいります。

【ビトロロジー概要】
会社名 : Vitrology Limited
所在地 : 5 South Avenue, Clydebank Business Park Glasgow, G81 2LG, United Kingdom
設立年 : 2007年
代表者 : Harry Draffan, Ph.D. (Chairman)
事業内容 : バイオ医薬品の開発における、細胞、ウイルス、生物由来原料、バルク製品、
最終製品等を対象とした生物学的安全性試験の受託

http://www.takara-bio.co.jp/news/2011/05/09.htm


タンパク質間の相互作用を制御する研究用試薬を新発売 ( 2011/4/20 )
当社子会社のClontech Laboratories, Inc.(以下「クロンテック社」)は、細胞内でタンパク質間の相互作用を制御することができる研究用試薬「iDimerize?シリーズ」を4月20日に全世界で発売します。

細胞内には、さまざまな種類のタンパク質が存在しており、これらのタンパク質間の相互作用によって細胞内の情報伝達が行われています。細胞の外から受けた刺激がシグナルとして核内の遺伝子に伝わり、遺伝子発現の制御が行われるなどがその一例です。がんの疾患メカニズムの解明など、幅広い研究分野において、細胞内タンパク質間の相互作用に関する研究が盛んに行われています。

iDimerize?シリーズは、細胞内において、2つのタンパク質を任意のタイミングで会合させたり解離させたりすることができる、ARGENT技術を利用した製品です。これにより、標的としたタンパク質間の相互作用の制御が可能となり、それらのタンパク質の相互作用が細胞の機能に与える影響を解析することができます。
クロンテック社は、ProteoTuner?システムやTetシステムといった、細胞内において遺伝子・タンパク質の機能を解析するための製品を販売しています。今回新たにタンパク質の相互作用を制御することができるiDimerize?シリーズを発売することで、細胞生物学分野の製品ラインナップをより充実したものとしていきます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2011/04/20.htm


たけだ診療所が行うがん免疫細胞療法に対して、当社が細胞加工技術支援を開始 ( 2011/4/6 )
タカラバイオ株式会社と武田病院グループのたけだ診療所(京都市)とは、たけだ診療所が行うがん免疫細胞療法に対して、当社が細胞加工技術支援を行うための契約を締結しました。本年4月14日よりたけだ診療所にて行われるがん免疫細胞療法に対して、当社が細胞加工技術支援サービスを提供します。

がん治療の現状は、外科手術、放射線治療、化学療法などが併用されていますが、一般的にはがん患者のQOL(生活の質)が大きく損なわれることが多いと考えられています。この問題を解決するために、副作用の少ない、がん免疫細胞療法が世界的に広まりつつあります。当社は、活性化リンパ球療法のための細胞加工技術やレトロネクチンR拡大培養法の技術開発を行ってきました。レトロネクチンR拡大培養法では、効率よくリンパ球の拡大培養(細胞を増やす)を行うことができるだけでなく、その増殖した細胞中にはナイーブT細胞が多く含まれているという特長があります。

当社と京都府公立大学法人京都府立医科大学吉川敏一学長・古倉聡准教授のグループとは、レトロネクチンR拡大培養法を用いたがん免疫細胞療法である「レトロネクチンR誘導Tリンパ球療法」の臨床研究を2010年春に終了しています。

当社がレトロネクチンR誘導Tリンパ球療法の細胞加工技術支援を行うのはたけだ診療所で2施設目となります。当社は、京都府立医科大学消化器内科と共同で、レトロネクチンR誘導Tリンパ球療法の臨床研究を引き続き実施しつつ、医療機関への技術支援サービスを行ってまいります。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2011/04/06.htm


自治医科大学に寄附講座を設置し、遺伝子医療の新たなプロジェクトを推進 ( 2011/3/28 )
タカラバイオ株式会社は、キメラ抗原受容体(CAR)遺伝子治療の研究開発ならびに臨床開発を推進することを目的として、自治医科大学に2011年4月1日付で寄附講座「免疫遺伝子細胞治療学(タカラバイオ)講座」を設置します。本寄附講座の教授は、自治医科大学医学部の小澤敬也教授(内科学講座血液学部門主任教授 分子病態治療研究センター・センター長 同 遺伝子治療研究部教授)が兼任されます。

現在、がん患者から採取したリンパ球に、がん細胞を特異的に認識する受容体の遺伝子を導入し、患者自身に戻す遺伝子治療法の臨床試験が世界各地で進められています。当社が三重大学医学部と共同で臨床開発を実施しているTCR(T細胞受容体)遺伝子治療もその1つです。

CAR遺伝子治療は、キメラ抗原受容体(CAR; Chimeric Antigen Receptor)の遺伝子を患者由来のT細胞に体外において導入し、患者に戻すという治療法です。近年、TCR遺伝子治療と並び、CAR遺伝子治療の臨床試験の事例も増えてきており、有効性を示す研究データの報告もなされています。CAR遺伝子治療には、ヒト白血球抗原(HLA)の型に依存せず、より多くの患者に適用することができるといった特徴があります。

当社は、高効率遺伝子導入法であるレトロネクチンR法を基盤技術とした遺伝子治療の商業化に取り組んでいますが、CAR遺伝子治療は、レトロネクチンR法を含めた当社の遺伝子治療関連技術・ノウハウを応用できる有望な治療法であると考えています。

本寄附講座では、遺伝子治療の臨床研究に取り組んできた経験を持つ自治医科大学と協力し、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍を対象としたCAR遺伝子治療の臨床開発や、新規のCAR関連技術の研究開発を進める予定です。

【寄附講座の概要】
(1)名称 : 免疫遺伝子細胞治療学(タカラバイオ)講座
(2)設置期間 : 平成23年4月1日から平成26年3月31日まで
(3)寄附金総額 : 9,000万円(3,000万円×3年)
(4)体制 : 小澤敬也 教授(兼任)、大嶺謙 講師(兼任)
塚原智典 助教(兼任)、内堀亮介 助教(専任)
当社研究員を1名派遣予定

http://www.takara-bio.co.jp/news/2011/03/28.htm


米国子会社のクロンテック社が迅速かつ簡便に遺伝子発現の制御を行える新製品を発売 ( 2011/2/17 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)の子会社であるクロンテック社(カリフォルニア州マウンテン・ビュー市)は、迅速かつ簡便に遺伝子発現の制御を行うことができる研究用試薬「Tet-Express Inducible Expression System」(以下、Tet-Express)を開発しました。当社グループは、本製品を2月18日に全世界で発売します。

クロンテック社は、遺伝子が細胞内で発現するタイミングやその発現量を厳密に制御することができる研究用試薬として、1996年よりTetシリーズ製品を販売しています。Tetシリーズ製品は、がん遺伝子の機能解析など、動物細胞を用いた遺伝子の機能解析研究における有用な実験手法として広まっており、現在は同社のコア製品群の1つとなっています。

Tetシリーズ製品では、転写活性化因子というタンパク質によって細胞内における遺伝子発現の制御が行われていますが、今回発売する新製品Tet-Expressには、クロンテック社独自の構造改変によって細胞透過性を付与した転写活性化因子が採用されています。
この新しい転写活性化因子は、タンパク質として直接細胞に導入することが可能であり、従来製品で行われていた遺伝子導入法による転写活性化因子の細胞への導入プロセスが不要となりました。これにより、Tet-Expressでは、実験に必要となる期間が従来品よりも大幅に短縮されています。

また、従来の製品では、転写活性化因子が導入された細胞にさらにドキシサイクリンという物質を加えることで、目的遺伝子の発現誘導を行っていましたが、Tet-Expressでは転写活性化因子の添加のみで発現誘導を引き起こすことができるため、よりシンプルに遺伝子制御実験を行うことができます。
当社グループは全世界において、新製品およびTetシリーズ関連製品にて、発売より1年間で4億円の売上を目指します。

当社グループは、引き続き細胞生物学(アドバンスドセルバイオロジー)分野の新製品開発を行っていきます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2011/02/17.htm


インドに研究用試薬の製造販売子会社を設立 ( 2011/2/15 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、バイオ研究者向けの研究用試薬等の製造・販売を行う子会社(タカラバイオDSSインド株式会社)をインドに設立いたします。当該子会社は、当社グループとDSS Imagetech 社(DSS Imagetech Pvt. Ltd.、インド共和国ニューデリー)の合弁会社として設立され、当社グループが設立会社の51%の株式を保有します。当該子会社の設立は、本年4月1日を予定しています。

今回の設立パートナーであるDSS Imagetech社は、インド国内の主要12都市に営業拠点を有しており、経験豊富な営業担当者による専門性の高い顧客サポートを特長として、研究用試薬、理化学機器、医療・診断用機器の輸入・販売を行っています。同社は、2005年より当社グループ製品のインド国内代理店として活動してきました。

この度、当社とDSS Imagetech社とは、拡大を続けるインド市場における当社グループ製品のシェア拡大のために、より一層協力関係を強化することで合意し、合弁会社の設立を決定いたしました。新たに設立する会社では、(1)両社の協力によるマーケティング力の強化とタカラバイオグループ製品のさらなる拡販、(2)当社グループの製品開発力とDSS Imagetech社の情報収集力を活かしたインド国内市場向け製品の企画・製造・販売を行い、設立後5年以内に売上10億円を達成することを目標としています。

なお、今回の子会社設立は、設立時期が本年4月となるため、当社平成23年3月期連結業績への影響はありません。

当社は、今回の子会社設立により、急拡大しているインド市場におけるバイオ支援産業のリーダーシップをとることを目指します。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2011/02/15-2.htm


モルメド社が、米国において白血病を対象としたHSV-TK遺伝子治療の第V相臨床試験を実施するための認可をFDAより取得 ( 2011/1/7 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)の遺伝子治療共同開発パートナーであるモルメド社(MolMed S.p.A.、イタリア ミラノ市)は、米国において高リスク白血病を対象としたHSV-TK遺伝子治療(ハプロAdd-back)の第III相臨床試験を実施するための認可を米国食品医薬品局(FDA)より受けたことを、2011年1月6日付で発表しました。モルメド社は、当該臨床試験を既にイタリアにおいて実施中ですが、今回 FDAの認可を受けたことにより、米国の医療機関においても対象となる患者を登録し、当該臨床試験を国際的に実施していくことになります。

当社とモルメド社は相互にライセンス契約を締結し、当社がアジアにおける白血病を対象とするHSV-TK遺伝子治療の独占的な商業化権を保有する一方、モルメド社は欧州と米国における当社の遺伝子導入技術・レトロネクチン法の非独占的実施権を保有しています。モルメド社が行っているHSV-TK遺伝子治療の第III相臨床試験においても、レトロネクチン法が使用されています。

モルメド社が欧州で高リスク白血病を対象に実施したHSV-TK遺伝子治療(ハプロAdd-back)の第 I/II 相臨床試験では、遺伝子導入細胞の追加輸注(Add-back)が造血幹細胞移植後の継続的な免疫系再構築に有効な手段であり、ハプロタイプ一致血縁ドナーからの造血幹細胞移植を行う上で有用であることが示されています。さらに、移植に伴う有害反応や原病の再発を防止することで、生存率において従来の治療法と比較して優れていることを示唆する成績が得られています。

当社は、日本において、同種造血幹細胞移植後の再発白血病を対象としたHSV-TK遺伝子治療(ドナーリンパ球輸注療法)の第I相臨床試験(治験)を国立がん研究センター中央病院において実施しています。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2011/01/07.htm


ナチュラルキラー細胞を高純度に作製できる新技術を開発 ( 2010/12/9 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を高純度(90%以上)に作製する技術を新たに開発いたしました。この新規NK細胞作製技術は、当社が開発したレトロネクチンR拡大培養法で培養したT細胞を利用するものです。今回開発した新規NK細胞作製技術について、第23回日本バイオセラピィ学会学術集会総会(12月9〜10日、開催地:大阪)などにおいて発表します。

生体の免疫機構は、大きく自然免疫と獲得免疫の2つに分けられます。NK細胞は、これらのうちの自然免疫を担う重要な細胞の1つであり、ウイルス感染や細胞のがん化などによって体内に異常な細胞が発生した際に、すぐさまそれらを攻撃する初期防御機構としての働きを持っています。
健康なヒトの体内でも毎日数千個程度のがん細胞が発生していると言われていますが、自然免疫を担うNK細胞やその他の免疫細胞によって、これらのがん細胞が取り除かれることで、がんの発症が抑制されていると考えられています。
一方、獲得免疫は、T細胞やB細胞と呼ばれる免疫細胞によって担われており、生体が抗原(生体にとっての異物)に感染した後に、それらの抗原を特異的に認識する免疫細胞が体内に現われることで機能する免疫機構です。

近年、自己の免疫細胞を体外で増殖・活性化し、再び体内に戻すことで患者の免疫機能を高めるという、がん免疫細胞療法が広まり始めています。現在行われているがん免疫細胞療法は、獲得免疫を担うT細胞を利用したものが中心であり、NK細胞を用いたがん免疫細胞療法については、患者由来の細胞から安定して高純度にNK細胞を作製することが困難であったため、あまり普及が進んでいませんでした。
この度当社が開発した新規NK細胞作製技術には、レトロネクチンR拡大培養法で培養したT細胞が利用されており、NK細胞を90%以上という高純度で大量に作製することができます。当社は、新規NK細胞作製技術で得られるNK細胞の多くが、活性化したNK細胞が有する機能上重要なタンパク質(CD16やNKG2D)を発現しており、さまざまながん細胞株に対して細胞傷害活性を示すことを確認しました。

また、現在がんに対するさまざまな抗体医薬が上市され、治療に用いられています。抗体医薬の作用メカニズムの1つとして、抗体が生体内でがん細胞を特異的に認識して結合し、そこに呼び寄せられたNK細胞やマクロファージが、がん細胞を攻撃して殺傷するというものがあります。このように抗体を介して細胞を殺傷する活性のことを、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)と呼びます。
当社は、新規NK細胞作製技術で得られたNK細胞が抗体との併用によって高いADCC活性を発揮することを確認しました。この結果から、新規NK細胞作製技術と抗体医薬を組み合わせることで、治療効果をより高めることができる可能性が示唆されました。

当社は、獲得免疫を担うナイーブT細胞を用いたレトロネクチンR誘導Tリンパ球療法の臨床応用を進めていますが、もう1つの重要な免疫機構である自然免疫を担うNK細胞を用いたがん免疫細胞療法を確立することにより、患者の状態に応じた治療法の提供やナイーブT細胞とNK細胞の併用による、より効果的な治療法の開発などが可能になると考えています。今後、今回開発した新規NK細胞作製技術の臨床応用に向け、さらなる研究を進めていきます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/12/09.htm


抗がん剤事業の買収完了に関するお知らせ ( 2010/11/30 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、株式会社エムズサイエンス(代表取締役:三田四郎)との間で、当社がエムズサイエンス社から抗がん剤「腫瘍溶解性ウイルスHF10」に関する事業を買収することに関する契約に調印したことを本年10月22日付で発表いたしました。この度、当社が当該事業に関する資産を承継するにあたって必要となる全ての手続きが完了し、本日11月30日付で事業譲渡が実行されましたのでお知らせいたします。



HF10については、頭頸部がんを対象とした第I相臨床試験がすでに米国において開始されています。当社は、当該臨床試験を引き続き推進し、2018年度の商業化を目指してHF10の開発を行っていきます。



なお、HF10事業買収の平成23年3月期業績への影響は通期業績予想(本年11月4日発表)に織り込まれており、今回の事業買収完了による通期業績予想の変更はありません。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/11/30.htm


白血病に対する遺伝子治療の臨床研究において第1例目に遺伝子導入細胞を投与 ( 2010/11/4 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)と独立行政法人国立がん研究センター中央病院とが共同で実施している白血病に対する遺伝子治療の臨床研究において、10月13日に第1例目の被験者に遺伝子導入細胞が投与されました。



本遺伝子治療は、高リスク造血器悪性腫瘍患者にハプロタイプ一致造血幹細胞移植を行ったあと、感染症をはじめとした造血幹細胞移植の合併症を軽減しつつ重篤な移植片対宿主病(GVHD)が発症した時の沈静化の手段として、HSV-TK遺伝子導入ドナーリンパ球を追加輸注(Add-back)するというものです。これにより、適切なドナーが見つからないため、造血幹細胞移植を行えない造血器悪性腫瘍患者に新たな治療法が提供できると期待されます。



当社とモルメド社(イタリア)は相互にライセンス契約を締結し、当社がアジアにおける造血器悪性腫瘍を対象とするHSV-TK遺伝子治療の独占的な商業化権を保有する一方、モルメド社は欧州と米国における当社の遺伝子導入技術・レトロネクチン法の非独占的実施権を保有しています。



HSV-TK遺伝子治療について、モルメド社はイタリアで治験(第III相)を、当社は国立がん研究センターと共同でドナーリンパ球輸注(DLI)療法の治験(第I相)を実施中です。当社は、これらの治験や臨床研究から得られる成果を最大限利用し、日本におけるHSV-TK遺伝子治療の商業化に向けた臨床開発を推進していきます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/10/14.htm


抗がん剤事業を株式会社エムズサイエンスより買収 ( 2010/10/22 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)と、株式会社エムズサイエンス(代表取締役:三田四郎)とは、エムズサイエンス社が開発を進めている抗がん剤「腫瘍溶解性ウイルスHF10」に関する事業を当社が買収することについて合意に至り、本日10月22日付で事業譲渡契約を締結しましたので、お知らせいたします。なお、当該事業譲渡の実行は、2010年11月30日を予定しています。



今回の事業買収の概要は次の通りです。



1.HF10事業について
腫瘍溶解性ウイルスHF10は、単純ヘルペスウイルス1型の弱毒型自然変異株であり、正常細胞ではほとんど増殖しませんが、がん細胞に感染すると増殖し、がん細胞を死滅させることが動物実験などにおいて示されています。現在エムズサイエンス社は、米国において頭頸部がんを対象としたHF10の第I相臨床試験を実施中であり、すでに3例の患者への投与が実施されています。
また、名古屋大学医学部附属病院において、乳がん、頭頸部がんおよび膵臓がんの患者を対象としたHF10の臨床研究が実施されており、HF10の安全性と各種がんに対する有効性を示唆する結果が得られています。
当社は、HF10に関する全ての権利・契約、技術関連資産、臨床および非臨床試験に関する資料等をエムズサイエンス社から譲り受け、事業化を進めていきます。米国で行われている第I相臨床試験についても、当社が引き継ぎ実施していきます。
2.HF10事業買収の意義・理由
当社は、高効率遺伝子導入法であるレトロネクチンR法を基盤技術として、遺伝子治療の臨床開発に取り組んでいます。レトロネクチンR法は、すでに欧米を中心とする医療機関において50を超える遺伝子治療の臨床試験で採用されており、遺伝子治療のスタンダード技術となりつつあります。
また、当社自身も遺伝子治療の事業化に積極的に取り組んでおり、(1)HSV-TK遺伝子治療の第I相臨床試験(再発白血病を対象としたドナーリンパ球輸注療法)や臨床研究(ハプロタイプ一致造血幹細胞移植後のドナーリンパ球輸注療法)、(2)食道がんを対象としたTCR遺伝子治療の臨床研究を進めています。さらに、(3)HIVを対象としたMazF遺伝子治療の米国における臨床試験を2011年度に開始する予定です。
一方、腫瘍溶解性ウイルスであるHF10は、ウイルスを利用した新しいタイプの抗がん剤であり、広義の遺伝子治療に分類されます。HF10の開発・製造には、ウイルスベクターの解析・製造技術といった当社が保有する遺伝子治療関連の技術・ノウハウを広く活用することができます。すでに米国において第T相臨床試験が行われているHF10プロジェクトを獲得することによって、当社は遺伝子治療関連事業の開発パイプラインを拡充し、開発リスクの分散や開発成功時の収益の拡大を図ることができるものと考えています。


今回の事業買収による平成23年3月期業績への影響は軽微であり、通期業績予想の変更はいたしません。また、今回の事業買収に要する資金は、すべて当社の手元資金より支出いたしますので、新株発行等による資金調達は行いません。
当社は、新たに加わる抗がん剤HF10を含め、引き続き遺伝子医療分野の各プロジェクトの臨床開発を積極的に推進し、遺伝子治療の商業化を目指していきます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/10/22-2.htm


ガゴメ昆布フコイダンの抗インフルエンザウイルス作用を動物実験において確認 ( 2010/9/21 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、富山大学大学院医学薬学研究部生薬学研究室の林 利光教授との共同研究において、ガゴメ昆布フコイダンがインフルエンザウイルスの感染を抑制し、さらにインフルエンザウイルスに対する抗体の産生を促進する作用を持つことを動物実験にて初めて明らかにしました。

当社はこれまでに、ガゴメ昆布フコイダンがNK細胞などの免疫系を活性化する作用があることを明らかにしています。また、ガゴメ昆布フコイダンがインフルエンザウイルスの細胞内への侵入を抑え、ウイルスの増殖を抑制することを細胞感染実験において明らかにしています。
今回、ガゴメ昆布フコイダンの抗インフルエンザウイルス作用をさらに詳しく調べるために、インフルエンザウイルス感染抑制効果やウイルスに対する抗体産生への効果を動物実験により評価しました。実験内容の詳細は以下のとおりです。

実験1:
<内容>

?実験には、以下の2種類のインフルエンザウイルスを使用した。
1) A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)A/NWS/33株
2) 2009年患者から分離されたオセルタミビル耐性新型インフルエンザウイルス
?マウスにインフルエンザウイルスを経鼻感染させ、感染3日後に気道や肺のウイルスの量を測定した。
?マウスには、ガゴメ昆布フコイダン、オセルタミビルもしくは滅菌蒸留水(コントロール)をウイルス感染7日前から感染後3日まで毎日経口投与した。
<結果>
ガゴメ昆布フコイダンとオセルタミビルは、A/NWS/33株の気道や肺における増殖を強く抑制した。さらに、ガゴメ昆布フコイダンはオセルタミビル耐性新型インフルエンザウイルスにも有効であった(図1)。

実験2:
<内容>
?インフルエンザウイルスは実験1と同じものを用いた。
?マウスにインフルエンザウイルスを経鼻感染させ、感染14日後に気道中のウイルスに対する抗体の量を測定した。
?マウスには、ガゴメ昆布フコイダン、オセルタミビルもしくは滅菌蒸留水(コントロール)をウイルス感染7日前から感染後7日まで毎日経口投与した。
<結果>
ガゴメ昆布フコイダンを経口投与したマウスでは、気道中のインフルエンザウイルス特異的分泌型IgA抗体の産生がA/NWS/33株の場合には約1.7倍、オセルタミビル耐性新型インフルエンザウイルスの場合には約2.7倍に高まっていた(図2)。

今回の結果ならびにこれまでの研究結果を統合すると、ガゴメ昆布フコイダンは、NK細胞の活性化、インフルエンザウイルスの細胞への侵入抑制、分泌型IgA抗体の産生促進などの多様な働きにより、インフルエンザを予防できる可能性が示されました。今回の研究成果は、2010年9月25日より徳島で開催される日本生薬学会第57回年会にて発表予定です。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/09/21.htm


株式会社エムズサイエンスと抗がん剤事業の譲受に関する独占的協議を開始 ( 2010/9/17 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)と、株式会社エムズサイエンス(代表取締役:三田四郎)とは、エムズサイエンス社が開発を進めている抗がん剤(腫瘍溶解性ウイルスHF10)に関する事業を、当社が譲り受けることについて独占的に協議を行うことに合意し、9月17日付で覚書を締結しました。



HF10は、エムズサイエンス社が抗がん剤として開発を進めている単純ヘルペスウイルス1型の弱毒型自然変異株です。HF10は、がん細胞に感染すると細胞内で増殖し、がん細胞を死滅させる作用を有することが動物実験などにおいて示されており、このような抗がん作用を持つウイルスは腫瘍溶解性ウイルスと呼ばれています。
エムズサイエンス社は、現在米国において、頭頸部がんを対象としたHF10の第I相臨床試験を実施しています。また、名古屋大学医学部附属病院において、乳がん、頭頸部がんおよび膵臓がんの患者を対象としたHF10の臨床研究が既に実施されており、その安全性と有効性を示唆する結果が報告されています。



HF10は、ウイルスを利用した新しいタイプの抗がん剤であり、その開発・製造には当社が保有するウイルスベクターの製造・解析技術など遺伝子治療に必要な技術・ノウハウを最大限に活用することができます。
現在当社が開発を進めている体外遺伝子治療プロジェクトに、体内遺伝子治療に分類されるHF10プロジェクトを加えることにより、遺伝子医療分野の開発パイプラインの拡充を図ることができると考えています。



今後エムズサイエンス社との間で、事業の譲り受けの条件などについて協議を行っていきます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/09/17.htm


食道がんに対するTCR遺伝子治療の臨床研究において、第1例目の治療を開始 ( 2010/8/18 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)と三重大学医学部附属病院(病院長:竹田寛)とが共同で実施している食道がんに対するTCR(T細胞受容体)遺伝子治療の臨床研究において、8月17日に第1例目の被験者への遺伝子導入細胞の投与が行われました。これは、国内初のTCR遺伝子治療の臨床研究です。



TCR遺伝子治療は、がん患者の血液から採取したリンパ球に、がん細胞を特異的に認識するTCR遺伝子を体外において導入し、培養によって増殖させてから患者に戻すという治療法です。TCR遺伝子が導入されたリンパ球が、患者の体内においてがん細胞のみを認識して攻撃し、消滅させることが期待されます。
本臨床研究は、標準的な治療法による効果が期待できない治療抵抗性の食道がん患者が対象であり、TCR遺伝子を導入した自己リンパ球輸注の安全性、体内動態及び臨床効果を評価することを目的としています。研究実施期間は3年間で、症例数は9例が予定されています。
なお、本臨床研究では、リンパ球への遺伝子導入には当社の開発した高効率遺伝子導入法であるレトロネクチン法が使用されており、さらに遺伝子導入に使用されるレトロウイルスベクターは、当社が開発したものです。



TCR遺伝子治療については、米国国立がん研究所のローゼンバーグ博士らのグループが実施した悪性黒色腫(メラノーマ)を対象とした臨床研究において、2006年に初めてその有効性がScience誌に発表されています。それ以降も同グループを含む複数の施設において臨床試験が進められ、他の種類のがんに対しても有効であることが示されている有望な治療法です。

なお、本プロジェクトは、2009年9月に採択されたNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発事業の一環として進められています。当社は、TCR遺伝子治療の商業化に向け、本臨床研究より得られる成果を今後の治験へとつなげていきたいと考えています。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/08/18.htm


白血病の遺伝子治療薬、平成29年度の製品化目指す 宝ホールディングス  ( 2010/8/12 )
産経新聞にリンク

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100812/biz1008122204018-n1.htm


京都府立医科大学において臨床研究が終了、医聖会・百万遍クリニックにてがん免疫細胞療法の有償治療を開始 ( 2010/5/7 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)と京都府公立大学法人京都府立医科大学 消化器内科 吉川敏一教授・古倉聡准教授のグループとは、当社が開発したレトロネクチン拡大培養法を用いたがん免疫細胞療法である「レトロネクチンR誘導Tリンパ球療法」の臨床研究を終了し、主要評価項目である安全性を確認しました。詳細は以下です。

【臨床研究で使用される技術】
当社は、リンパ球の拡大培養時にレトロネクチンRを用いると効率よくリンパ球の拡大培養(細胞を増やす)を行うことができるだけでなく、その増殖した細胞中には未分化な細胞であるナイーブT細胞が多く含まれていることを見出し、国内で既に特許を取得しています(「細胞傷害性リンパ球の製造方法」、特許第4406566号)。このナイーブT細胞は、従来法で拡大培養したリンパ球と比べ、体内で持続的に働くことができるという特徴があるため、レトロネクチンRを使わない従来法と比べて、より高い治療効果が期待されます。

【臨床研究の概要】
対象疾患 : 標準治療後の残存あるいは再発症例で手術・放射線治療による根治性のある治療の対象とならない消化器がん・肺がんで文書同意の得られた20歳以上、80歳未満でPerformance Status(PS)が0-2の症例
症例数 : 9例
投与細胞数 : 1×109個、3×109個、9×109個(各3例、ドーズエスカレーション)
細胞投与回数 : 2週間隔で2回(被験者の希望により最大6回まで投与)
主要評価項目 : 安全性
副次評価項目 : 腫瘍縮小効果
開始日 : 平成21年4月6日
UMIN試験ID : UMIN000001835

【臨床研究の結果】
1.治療と評価法
対象患者から採血後に分離した末梢血単核球を細胞調製室(CPR:Cell Processing Room)でレトロネクチンRを用いて拡大培養を行う。培養し終えたT細胞を隔週に2回投与し2回目の投与4週後までの有害事象の発生の有無を評価し、抗腫瘍効果はRECISTにより判定した。
2.結果
9例に投与し、重篤な有害事象は認めなかった。治療効果は、完全奏効(CR; Complete Response):1例、部分奏効(PR; Partial Response):1例、安定(SD; Stable Disease):4例、進行(PD; Progress Disease):3例であった。

今般の臨床研究の結果を受け、当社の技術支援のもと、医療法人社団 医聖会 百万遍クリニック(京都市)では、レトロネクチンR誘導Tリンパ球療法の有償治療を本年5月13日より開始します。当社は、百万遍クリニックにレトロネクチンRを用いた細胞加工技術支援サービスを有償で提供します。従来から行っていた活性化リンパ球療法の技術支援サービス及び当該新サービスの売上高は平成23年3月期で1.5億円を見込んでいます。当該売上見込みを反映したうえで、本年5月11日に、平成22年3月期決算短信における平成23年3月期業績予想を発表する予定です。

レトロネクチンR誘導Tリンパ球療法の安全性が確認できたため、当社と京都府立医科大学とは共同で、今後も引き続き、他の治療法(ワクチンや温熱療法)との併用療法も含め、レトロネクチンR誘導Tリンパ球療法の臨床研究を進めていきたいと考えています。

<参考資料>

【医療法人社団 医聖会の概要】
所在地 : 京都府八幡市八幡五反田39-1
理事長 : 真鍋克次郎
関連施設 : 八幡中央病院、京都八幡病院、学研都市病院、百万遍クリニック、介護老人保健施設石清水、特別養護老人ホームゆりのき、訪問看護ステーション梨の里、八幡市乳幼児健康支援デイサービス事業たんぽぽ、精華町病後児保育事業病後児保育室ひまわり、真鍋整形外科医院

【医聖会 百万遍クリニックの概要】
所在地 : 京都市左京区田中門前町103-5
電話番号 : 075-791-8202
概要 : 医聖会が、財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター(理事長:片山傳生)より附属診療所の営業譲渡を受け、平成20年4月に開設したクリニック。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/05/07.htm


キアゲン社にLA-PCR法のライセンスを供与 ( 2010/4/30 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)と、独国キアゲン社(QIAGEN GmbH、ヒルデン市)は、当社が保有するLA-PCR技術に関する特許の全世界における非独占的実施権をキアゲン社に供与するライセンス契約を、 2010年4月28日付で締結しました。キアゲン社は、当社がLA-PCRの実施権を供与した世界で第24番目の企業です。

本契約の締結によりキアゲン社は全世界においてLA-PCR法を利用する製品を製造・販売することができます。また、本契約に伴い、当社はキアゲン社より契約一時金及びライセンス対象製品の売上に応じたランニングロイヤリティーを受け取ります。

LA-PCR法は、遺伝子工学の基幹技術であるPCR法の能力を飛躍的に向上させた画期的な技術で、「長く正確なポリメラーゼ連鎖反応(Long and Accurate Polymerase Chain Reaction)」を意味します。従来のPCR法では1万塩基をこえるDNAの増幅は困難でしたが、LA-PCR法により数万塩基の長鎖DNAを安定して正確に増幅することができるようになりました。LA-PCR技術がPCR法の欠点を補完し、ゲノム解析や長鎖フラグメントのクローニングおよび変異導入等のPCR法の応用分野をさらに拡大しました。

LA-PCR法は遺伝子工学分野の基盤技術の一つとして世界中に広く認知されており、さらに需要は高まっていくものと期待しています。本契約締結が当期の当社連結及び単体の業績に与える影響は軽微ですが、当社は、今後もLA-PCR法のライセンス活動を積極的に行っていく予定です。

<参考資料>

【キアゲン社の概要】
会社名 : QIAGEN GmbH(ホールディング企業であるQIAGEN N.V.の100%子会社)
設立 : 1984年
代表者 : Peer M. Schatz, CEO
売上高 : 1,009百万米ドル(QIAGEN N.V.の2009年連結売上高)
従業員数 : キアゲングループ全体で3500人以上
住所 : QIAGEN Str. 1, 40724 Hilden, Germany
事業概要 : ライフサイエンス研究用試薬・機器、および分子診断用試薬の製造販売
ホームページ : http://www.qiagen.com

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/04/30.htm


遺伝子機能解析用の試薬(約2万種のヒトshRNA発現ベクター)の販売および受託サービスを開始 ( 2010/3/23 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、約2万種のヒトshRNA発現ベクターを研究用試薬として4月1日より発売します。本ベクターは、文部科学省ゲノムネットワークプロジェクトの研究成果の一つであり、当社は、国立大学法人東京大学より実施許諾を受け、国内において独占的に販売します。また、本ベクターの販売に加え、当社が持つウイルス作製技術と組み合わせたshRNA発現クローン(アデノウイルス、レトロウイルスやレンチウイルスを用いて目的遺伝子の発現を継続的に抑制した細胞)の作製受託サービスを開始します。

shRNAを用いたRNA干渉は、配列特異的に特定の遺伝子の発現を抑制する技術で、遺伝子機能を網羅的に解析するための有力なツールとなっています。本ベクターは約2万種というヒト遺伝子に対する高い網羅性を有しており、疾患関連遺伝子の探索研究など、ヒト遺伝子の機能解析を目的とした研究における幅広い利用が期待されます。

本ベクターのshRNA配列は、RNA干渉誘導確率が高いのみならず、RNA干渉実験で問題となる目的以外の遺伝子の発現を抑制してしまう効果(オフターゲット効果)が低いという特徴を有しています。本ベクターは、すでにゲノムネットワークプロジェクトの参加メンバーにより、のべ13万種類が使用された実績があります。

今回のRNA干渉関連の製品ラインアップおよび受託メニューの拡充により、遺伝子・細胞機能の解析研究分野における売上増を目指します。

【製品概要】
製品名 : ヒトshRNA発現ライブラリー
製品説明 : 本製品は、ヒト遺伝子約2万種類を網羅するレトロウイルス型ヒトshRNA発現ライブラリーです。本ライブラリーは、そのまま細胞へ導入して使用できます。また、レトロウイルスベクターを採用しているため、レトロウイルスとして多種類の細胞への感染も可能です。そのため、RNA干渉効果を持続化させた、shRNA発現安定細胞株の樹立を行うことができます。
価格 : 1セット(約2万種のヒトshRNA発現ベクター) 500万円(税別)

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/03/23.htm


米国でのエイズ遺伝子治療の臨床試験を開始するため、ペンシルベニア大学と共同研究契約を締結 ( 2010/3/11 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)とペンシルベニア大学(ペンシルベニア州フィラデルフィア)とは、米国においてHIV遺伝子治療の臨床試験を実施することを目指し、2010年3月11日付で共同研究契約書を締結しました。本契約のもと、当社とペンシルベニア大学医学部のカール・ジューン(Carl June)教授らのグループとは、米国食品医薬品局(FDA; Food and Drug Administration)への臨床試験実施申請資料(IND; Investigational New Drug)の提出に向けた非臨床試験や一連の申請作業を共同で実施します。

当社は、大腸菌由来のRNA分解酵素であるMazFを用いたHIV遺伝子治療の研究開発を進めています。当社はこれまでにエイズウイルス(HIV)を用いた培養細胞への感染実験により、MazF遺伝子をヒトT細胞に導入することによって、HIVの複製が効果的に抑制されることを発見しています。また、MazF遺伝子をレトロウイルスベクターにより導入したヒトT細胞に、様々な抗HIV薬が効かなくなった多剤耐性HIV株を感染させたところ増殖を抑制できること(鹿児島大学との共同研究)などの有望な結果を示してきました。また、医薬基盤研究所霊長類医科学研究センターと共同で、サルを用いたMazF遺伝子治療の動物試験も実施しています。

当社は、市場性、体外遺伝子治療の臨床試験の実績、臨床試験終了後のグローバル展開等を考慮し、最初にMazF遺伝子治療の臨床試験を実施する地域として、米国を選択しました。また、カール・ジューン教授は、これまでに米国で実施された複数のHIV遺伝子治療の臨床試験実施責任者を務めた実績があり、IND申請や臨床試験に関する経験やノウハウを有しています。

本契約のもとで、当社とペンシルベニア大学は、当社がこれまでに取得してきたMazF遺伝子治療に関連する実験結果等を利用しつつ、米国でのIND申請のために必要となる動物試験などの非臨床試験、遺伝子導入細胞のGMP製造の検討、FDAとのIND前(pre-IND)ミーティングや申請作業等を共同で実施します。2年以内にFDAへのIND申請を完了し、米国で臨床試験を開始することを目指します。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/03/11.htm


難治性白血病の遺伝子変異の検査に関する特許のライセンスを株式会社エスアールエルに供与 ( 2010/1/6 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、悪性度の高い急性骨髄性白血病の主要原因である遺伝子変異の検査に関する当社の保有特許の実施権を、株式会社エスアールエル(社長:小川眞史)に許諾するライセンス契約を締結しました。本契約により、株式会社エスアールエルは、本特許技術を用いた検査サービスを日本において非独占的に実施することができます。

この度株式会社エスアールエルに実施権が許諾された当社の特許は、急性骨髄性白血病患者の約1/3で検出される、FLT3遺伝子の一部の配列が重複する変異(FLT3/ITD変異と呼ばれる)や、そのFLT3/ITD変異を検出する方法に関わるものです。

急性骨髄性白血病は成人において最も多い血液がんの一つで、主に抗がん剤による治療が行われます。しかしながら、FLT3/ITD変異を持つ患者では治療後の経過が不良となり、再発や治療抵抗性を示すことが知られています。現在、このFLT3/ITD変異を持つ難治性の急性骨髄性白血病の患者を対象とした、新たな抗がん剤(分子標的薬)の開発が世界中で活発に行われています。本特許の技術を用いてFLT3/ITD変異の有無を検査することにより、この変異を標的とした薬剤を、投薬適応性を確認のうえ投与することが可能になり、的確な治療につながるものと期待されます。

当社との非独占的ライセンス契約のもと、株式会社エスアールエルは、医療機関等に対して、患者の細胞におけるFLT3/ITD変異の有無を検出する受託臨床検査を、本年1月より開始しています。

本契約締結による当社連結及び単体の平成22年3月期業績への直接的な影響は軽微ですが、当社は本契約締結に伴う契約一時金、およびFLT3/ITD変異検査サービスの売上に応じた実施料を株式会社エスアールエルより受領します。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/01/06.htm


ガゴメ昆布フコイダンにインフルエンザウイルスの増殖抑制作用があることを確認 ( 2009/12/17 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、ガゴメ昆布フコイダンが強いインフルエンザウイルスの増殖抑制作用を持つことを富山大学大学院医学薬学研究部生薬学研究室の林 利光教授との共同研究で明らかにしました。

ガゴメ昆布フコイダンのインフルエンザに対する効果を明らかにする目的で細胞実験によるウイルス増殖抑制効果の評価を行いました。実験には、A型インフルエンザウイルスである“ヒト型インフルエンザウイルスのH1N1亜型”および“弱毒性鳥インフルエンザウイルスのH5N3亜型”を使用しました。これらのウイルスを宿主細胞に感染させ、24時間培養した後に増殖したウイルスの量を測定しました。その結果、ウイルス感染時からガゴメ昆布フコイダンを添加した場合に、インフルエンザウイルスの増殖が強く抑制されました。ガゴメ昆布フコイダンのH1N1亜型に対する増殖抑制活性は、様々な海藻由来のフコイダン試料に比べて10倍以上強く、抗インフルエンザ薬のオセルタミビルの1/3程度でした。さらに、ガゴメ昆布フコイダンの抗インフルエンザウイルス作用について詳しく調べたところ、ガゴメ昆布フコイダンの作用部位はオセルタミビルとは異なり、細胞の中にインフルエンザウイルスが侵入する段階を抑えることがわかりました。

フコイダンは、褐藻類の海藻に特徴的に含まれる多糖であり、主に硫酸化されたフコースという糖で構成されています。当社は北海道の函館近海に生育するガゴメ昆布が豊富にフコイダンを含むことに注目し、1995年にフコイダンの化学構造を世界で初めて明らかにしました。その結果、ガゴメ昆布が他の海藻に見られないF-フコイダン、U-フコイダン、G-フコイダンを含むことを解明しています。さらに当社は、ガゴメ昆布フコイダンが免疫活性化作用や血栓抑制作用など多様な生理活性をもつことを明らかにしてきました。

今回の研究成果は、2010年3月28日より岡山で開催される日本薬学会第130年会にて発表予定です。当社では、今後さらに動物実験などによってガゴメ昆布フコイダンのインフルエンザに対する効果について研究を進めてまいります。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/12/17.htm


ヒトiPS細胞作製受託サービス事業を開始 ( 2009/12/14 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾 功一)は、研究者よりヒト細胞の提供を受け、当社がその細胞からiPS細胞を作製して研究者に提供するという、iPS細胞作製受託サービスを12月15日より開始します。

1.iPS細胞作製受託
当社が、研究者より提供を受けたヒト皮膚線維芽細胞に、iPS細胞誘導用レトロウイルスベクターとレトロネクチンRを用いて、iPS細胞誘導に必要な遺伝子を高効率に導入し、iPS細胞を誘導します。その後、2ヶ月程度かけ、1種類の細胞につき数個のiPS細胞クローンを取得し、ユーザーに有償提供します。後述の当社の新製品「Human iPS Cell GenerationR All-in-One Vector」(以下「All-in-One Vector」)等を用いて作製したレトロウイルスベクター及びレトロネクチンRを利用することで、様々なヒト由来の皮膚線維芽細胞よりiPS細胞の作製を効率良く行うことができると考えています。

2.iPS細胞解析受託(キャラクタライゼーション)
iPS細胞は、創薬のスクリーニングや再生医療への応用が期待されていますが、作製されたiPS細胞には様々な「個性」があることが明らかとなっています。iPS細胞とES細胞との違いを含めたiPS細胞の特徴や性質に関する研究は、将来のiPS細胞の応用のための品質管理という観点からも、その重要性が増しています。これらの研究には、当社が平成18年から研究受託サービスを行っている高速シーケンサーが威力を発揮します。高速シーケンサーは、次世代シーケンサーとも呼ばれており、例えば1日当たり数億もの塩基配列情報が得られる強力な研究ツールです。
当社では、京都大学 iPS細胞研究センター 山中伸弥教授から提供を受けたiPS細胞由来試料を用いてのChIP seq解析やマイクロRNA解析を試験的に実施して、iPS細胞の特徴解析に有効な方法であることを確認し、iPS細胞作製受託に加え、iPS細胞解析(キャラクタライゼーション)受託サービスの体制も整えました。

3.iPS細胞作製用試薬
iPS細胞作製に必要な5つの遺伝子(OCT3/4、SOX2、KLF4、LIN28及びNANOG)を1つのベクターに全て搭載したレトロウイルスベクタープラスミドを開発し、新製品「All-in-One Vector」として平成22年1月25日より発売します。この新製品等を使用して作製したレトロウイルスベクターとレトロネクチンRを用いてヒト皮膚線維芽細胞に5つの遺伝子を導入し、iPS細胞の誘導を行ったところ、当社の従来製品と比較して、約4倍高い効率でiPS細胞を作製できました(平成21年12月10日、第32回日本分子生物学会年会にて発表済)。

上記の内容の詳細について、12月21日に日経BP社主催で開催されるBTJプロフェッショナルセミナー「第二段階に入ったiPS細胞、生命科学と再生医療にどう活かすのか」にて発表します。

新製品発売や受託サービス実施による当社連結及び単体の平成22年3月期業績への直接的な影響は軽微ですが、当社は、iPS細胞作製受託サービス、iPS細胞解析受託サービス、iPS細胞関連試薬の販売を行うことにより、今後の需要が見込まれるiPS細胞関連研究をサポートして参ります。

【新製品概要】
製品名 : Human iPS Cell GenerationR All-in-One Vector
内容 : OCT3/4、SOX2、KLF4、LIN28及びNANOGの遺伝子を含むレトロウイルスベクタープラスミド
製品コード : 3671
容量 : プラスミド 10μg
価格 : 157,500円(税込)

【従来製品概要】(発売日:平成21年3月30日)
製品名 : Human iPS Cell GenerationR Vector Set
内容 : (1)OCT3/4及びSOX2、(2)KLF4、(3)LIN28及びNANOGのそれぞれの遺伝子を含むレトロウイルスベクタープラスミド
製品コード : 3670
容量 : 各プラスミド 5μg(全3種類)
価格 : 157,500円(税込)

【iPS細胞作製受託概要】
受託のメニューの詳細や価格は、別途お問い合わせください。

【iPS細胞解析受託概要】
高速シーケンサーを用いたiPS細胞のキャラクタライゼーションに関する解析受託サービス
(1)ゲノムDNAのメチル化解析 : エピジェネティクスと呼ばれる研究領域である個体の発生や細胞のがん化に関連しているDNAのメチル化解析
(2)ChIP seq解析 : クロマチン免疫沈降による転写因子の結合状態解析
(3)マイクロRNA解析 : 細胞増殖や発生と分化等に関与している18から26塩基からなるRNA(マイクロRNA)の解析
iPS細胞解析受託のメニューの詳細や価格は、別途お問い合わせください。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/12/14.htm


再発白血病に対する治験において、遺伝子治療を開始 ( 2009/12/2 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)が国立がんセンター中央病院にて進めているHSV-TK遺伝子治療(開発コード:TBI-0301)の治験(第I相臨床試験)において、12月1日に第1例目の被験者への遺伝子導入細胞の投与が行われました。体外遺伝子治療の治験において遺伝子導入細胞の投与が行われるのは国内で初めてです。本治験は、非盲検試験で行い、被験者数は9例を予定しています。

現在、同種造血幹細胞移植後に再発した白血病など造血器悪性腫瘍の患者に対して、ドナーリンパ球輸注(DLI)療法が行われていますが、副作用として生じる移植片対宿主病(GVHD)が重大な問題となっています。本治験は、このGVHDを沈静化する手段を備えたDLI療法により再発造血器悪性腫瘍の治療を試みるものであり、レトロウイルスベクター(治験薬TBI-0301)を用いてHSV-TK遺伝子が導入されたドナー由来リンパ球が被験者に投与されます。GVHDが発症した際には、ガンシクロビルという薬剤を投与し、導入されたHSV-TK遺伝子の働きによってドナー由来のリンパ球のみを消滅させ、GVHDの沈静化を図ります。

当社では、国内初の体外遺伝子治療の商業化を目指し、引き続きHSV-TK遺伝子治療の臨床開発を推進していきます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/12/02.htm


レトロネクチンRを用いたリンパ球拡大培養法に関する特許が日本において成立 ( 2009/11/30 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)の推進する遺伝子医療分野の中核技術の1つであるレトロネクチンR拡大培養法に関する特許出願が、この度日本特許庁より許可の通知を受け、特許登録されました。今回登録された特許は、「細胞傷害性リンパ球の製造方法」(特許第4406566号)です。

当社が開発したレトロネクチンR拡大培養法は、従来から使用されているインターロイキン−2及び抗CD3モノクローナル抗体に加えて、組換えヒトフィブロネクチン断片であるレトロネクチンRを用いてTリンパ球を体外で活性化・増殖させる方法です。本法は、Tリンパ球の数を効率よく増加させることができ、Tリンパ球を用いるがん細胞免疫療法や遺伝子治療に応用可能です。当社は、レトロネクチンR拡大培養法を用いると効率よくTリンパ球を増やすことができるだけでなく、その増殖した細胞中には未分化な細胞であるナイーブT細胞が多く含まれていることを確認しています。このナイーブT細胞は、従来法で拡大培養したリンパ球と比べて体内で持続的に働くという特徴があり、より高い治療効果が期待できます。

がん細胞免疫療法は、患者自身のTリンパ球を体外で活性化し、その細胞数を増やしてから患者の体内に戻すことによって、がん細胞を破壊するというものです。効率的に大量のTリンパ球を調製することができるレトロネクチンR拡大培養法を、がん細胞免疫療法へと応用する臨床研究がすでに国内外にて進められています。日本においては、三重大学および京都府立医科大学が当社の協力のもと臨床研究を実施しています。

本特許の成立による当社連結及び単体の平成22年3月期業績への直接的な影響は軽微ですが、当社の遺伝子医療事業の競争力が一層強化されたと考えており、レトロネクチンR拡大培養法を用いた細胞医療・遺伝子治療の臨床開発を引き続き推進していきます

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/11/30.htm


複合的がん免疫療法の研究開発プロジェクトが文科省・経産省/NEDOの橋渡し研究推進合同事業に採択 ( 2009/9/10 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)、三重大学及び慶應義塾大学が共同で申請していた複合的がん免疫療法に関する研究開発プロジェクトが、文部科学省及び経済産業省/NEDOが連携して推進している橋渡し研究推進合同事業「基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発/橋渡し促進技術開発」に採択されました。研究開発プロジェクトのテーマは、「癌特異的抗原受容体改変T細胞の輸注とがんワクチンによる複合的がん免疫療法の研究開発」で、研究開発責任者は三重大学大学院医学系研究科 珠玖(しく) 洋教授です。期間は平成21年度から平成23年度の予定で、1プロジェクトにつき委託額の上限が年間3億円の事業です。なお、珠玖教授が代表者である「複合がんワクチンの戦略的開発研究」は、平成20年度に先端医療開発特区(スーパー特区)に採択されており、今回の合同事業は、スーパー特区採択課題を対象に公募されたものです。

今般採用された研究開発プロジェクトは、がんに対する特異的T細胞輸注療法(TCR遺伝子治療)とがんペプチドワクチンを組み合わせた新しい治療法の開発を目指すものであり、以下の3つのプロジェクトを推進する計画です。

1.レトロウイルスベクターを用いたMAGE-A4特異的TCR遺伝子治療
「MAGE-A4抗原特異的TCR遺伝子導入リンパ球輸注による治療抵抗性食道癌に対する遺伝子治療臨床研究」は、三重大学医学部附属病院が臨床研究実施計画(総括責任者:珠玖洋教授)を厚生労働省に申請していましたが、本年7月17日付けで厚生労働大臣から本臨床研究の実施について了承する旨の回答が得られ、8月28日に三重大学医学部附属病院にて臨床研究への被験者の受付を開始しています。
本臨床研究では、癌細胞に発現している腫瘍抗原(MAGE-A4)を特異的に認識するTCR遺伝子を導入した自己末梢血リンパ球を輸注し、その後MAGE-A4ペプチドを2回皮下投与します。本臨床研究の目的は、安全性、体内動態及び臨床効果を評価することです。研究実施期間は3年間で、症例数は9例が予定されています。
本臨床研究では、当社の高効率遺伝子導入法であるレトロネクチン法や、三重大学と当社が共同で開発したMAGE-A4ペプチド、MAGE-A4ペプチドを認識するTCR遺伝子等の技術が使用されます。

2.次世代の内在性TCR発現制御型レトロウイルスベクターを用いたMAGE-A4特異的TCR遺伝子治療
T細胞は、もともと内在性のTCRを持っており、内在性TCRが存在すると、遺伝子導入された外来性TCRの機能を邪魔すると考えられます。当社と三重大学とは、この課題を解決するため、RNA干渉技術を用いて、次世代の内在性TCR発現制御型レトロウイルスベクターを開発しました。
さらに、当社のレトロネクチンを用いたTリンパ球の高増殖培養技術(レトロネクチン拡大培養法)により、少量の末梢血からTCR遺伝子導入リンパ球を調製する手法を開発しました。
この次世代レトロウイルスベクターとレトロネクチン拡大培養法を用いた臨床研究について、厚生労働省への申請・了承を経て、治療抵抗性食道癌を対象として平成23年度に開始する計画で、三重大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院及び北野病院(大阪市)の3施設で本臨床研究の実施を予定しています。3施設において担当医師による共同実施チームを編成し、患者登録・細胞調製・運搬等のシステムの構築を目指します。

3.免疫評価法の開発による新規T細胞療法の総合的免疫動態評価
慶應義塾大学先端医科学研究所 河上 裕(ゆたか)教授を中心に、免疫応答を多面的に評価し、上記1.2.の臨床研究における遺伝子導入T細胞の特異的免疫応答と生体内の免疫制御等について、免疫動態評価を行います。

本研究開発プロジェクトの採択による当社連結及び単体の平成22年3月期業績への直接的な影響は軽微ですが、当社が計画していた臨床開発経費に加え、今回の委託額を本研究開発プロジェクトに投下できることから、三重大学等との協力により、TCR遺伝子治療の臨床開発をより一層加速できるものと考えております。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/09/10.htm


セリ科植物ボタンボウフウに血管拡張作用があることを確認 ( 2009/8/26 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、鹿児島県屋久島産ボタンボウフウが強い血管拡張作用を持つことを明らかにしました。この成果を8月29日より千葉で開催される第26回和漢医薬学会学術大会で発表します。

ボタンボウフウ(学名:Peucedanum japonicum)は、日本では本州以西から沖縄までの海岸沿いに生育するセリ科の植物です。沖縄では「長命草」もしくは「サクナ」と呼ばれ、葉は和え物や天ぷらなどとして常食されています。これまでに当社バイオ研究所では、培養細胞を用いた実験において、ボタンボウフウが動脈硬化の初期病変であるマクロファージの泡沫化を抑制することを明らかにしています。

今回は屋久島産ボタンボウフウの血管機能の改善効果を明らかにする目的で摘出血管を用いた血管拡張作用の評価を行いました。あらかじめ収縮剤を用いて収縮させたラットの動脈標本にボタンボウフウの抽出物を作用させたときの血管弛緩率を測定しました。その結果、ボタンボウフウのエタノール抽出物が強い血管拡張作用を示すことが明らかになりました。さらに、ボタンボウフウの抽出物から活性成分を単離して構造を解析したところ、ボタンボウフウに豊富に含まれるクマリン化合物のイソサミジンであることがわかりました(図1)。次に、イソサミジンの血管拡張作用の機序について詳細に調べたところ、血管内皮細胞を除去した動脈標本を用いた場合にイソサミジンの作用が弱くなりました。また、一酸化窒素(NO)合成酵素阻害剤を同時に存在させるとイソサミジンの作用が抑制されました。これらの結果から、イソサミジンは血管内皮細胞から放出されるNOを介して血管を拡張させると考えられました。

血管内皮細胞は、NOを放出することで血管平滑筋の収縮を緩め、血管を拡張させます。この内皮細胞の機能が低下すると、動脈硬化につながることが知られています。すなわち、ボタンボウフウは、これまで明らかになったマクロファージの泡沫化の抑制作用に加えて、血管機能の改善作用によっても、心筋梗塞や脳梗塞の予防に効果を発揮する可能性が示されました。また、ボタンボウフウが血管を拡張することで冷え性、むくみ、肩こりなどの血流障害や高血圧にも効果が期待できると考えられます。

本研究成果の発表による当社連結及び単体の平成22年3月期業績への直接的な影響は軽微ですが、当社では、ボタンボウフウの生理活性に関する研究を更に進めていくとともに、ボタンボウフウの機能性食品素材としての活用を提案していきたいと考えております。
詳細は下記

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/08/26.htm


当社が申請した明日葉「カルコン」に関する課題が、農林水産省の 新需要創造フロンティア育成事業に採択されました ( 2009/8/21 )
タカラバイオ株式会社では、農林水産省の平成21年度新需要創造フロンティア育成事業に「明日葉の機能性成分カルコンを活用した新規の市場開拓事業」という課題名で申請を行っておりましたが、この度当社の課題が採択されました。
新需要創造フロンティア育成事業(以下、本補助事業)の主旨は、我が国の技術力を活かして新食品や新素材を開発し、知的財産権の活用により新需要を創造して、新産業分野を開拓するため、民間団体の提案・実施により、(1)新食品・新素材の画期的な利用方法に関する情報を民間企業、産地などの関係者に提供するとともに、(2)その新食品・新素材に関する研究成果を持つ試験研究機関、民間企業及び産地の連携による「新需要創造協議会」を育成し、その活動を支援するというものです。
今回採択された当社の課題「明日葉の機能性成分カルコンを活用した新規の市場開発事業」では、有用成分である明日葉「カルコン」について、これまで当社が解明してきた血糖値低下作用及び内臓脂肪低減作用といった機能性や、ヒト試験を通じて得られた安全性について広く周知し、有用農産物である明日葉の産地の活性化と新規の市場開発を行うことを目的としています。具体的には以下の取組を実施する計画です。
(1)明日葉「カルコン」の機能性を高めるための新規加工法の開発
(2)安定性の向上を目的とした明日葉「カルコン」の新規製造方法の開発
(3)新規の市場をターゲットとした試作品の開発と製品見本の製造
(4)明日葉「カルコン」に関する積極的な情報発信(学会、展示会、物産展等)
当社では、本補助事業に採択されたことを期に、明日葉「カルコン」を有望な機能性食品素材の一つとして広めるための活動をさらに加速させていきたいと考えています。

http://www.takara-bio.co.jp/pdfs/ashitaba_090821.pdf


平成22年3月期 第1四半期決算短信 ( 2009/7/31 )


http://www.takara-bio.co.jp/news/pdfs/09073101.pdf
http://www.takara-bio.co.jp/news/pdfs/09073102.pdf


健康応援サプリメント「キノコテルペン」新発売 ( 2009/7/27 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、キノコ「テルペン」含有サプリメント「キノコテルペン」を平成21年7月28日(火)より発売いたします。

「キノコテルペン」は、キノコ「テルペン」の含有率が高い白楡木茸属K-3128菌株を用いて、独自の栽培条件で生産した食用キノコから、高効率にテルペンを抽出し、飲みやすいサプリメントに仕上げた製品です。

当社は長年にわたるキノコの研究で、白楡木茸属の食用キノコに含まれる苦味成分からキノコ「テルペン」を発見し、1998年に物質特許を取得しています。

原料の食用キノコは100%自社栽培で、保存料、着色料無添加ですので安心してお召し上がりいただけます。1日4粒を目安に、水などと一緒にお召し上がりください。

本製品は、宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)が販売いたします。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/07/27.htm


米国メモリアル・スローン・ケタリング・がんセンターが実施する前立腺がんの遺伝子治療にレトロネクチンRを供給 ( 2009/7/24 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、米国メモリアル・スローン・ケタリング・がんセンター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center; MSKCC、ニューヨーク市)のスーザン・スロヴィン(Susan Slovin)博士らが実施する転移性前立腺がんの第I相臨床試験に、当社が開発したレトロネクチンRを提供するための契約を本日付で締結しました。本臨床試験では、進行性の転移性前立腺がんと診断された患者最大12名が登録される予定です。

前立腺がんは、米国では男性が患うがんの中で最も多いものです。現在では、血液中に分泌された前立腺特異的抗原(PSA)と呼ばれる腫瘍マーカーの検査により前立腺がんが早期に発見されるようになり、早期発見された前立腺がんの多くは外科手術や放射線療法等により治癒が可能です。しかし、その一方で、病期が進行してがんが転移した場合は、その生存率が大きく減少します。現在いくつかの化学療法剤の開発が進められていますが、化学療法は一般的に強い副作用を伴うため、新たな治療法の開発が求められています。

詳細は下記

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/07/24.htm


食道癌を対象としたTCR遺伝子治療臨床研究実施計画の、厚生労働省による了承について ( 2009/7/22 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)と三重大学医学部附属病院(病院長:竹田寛)とが共同で行う食道癌に対するTCR遺伝子治療臨床研究に対して、今月17日付で厚生労働大臣から、本臨床研究の実施について了承する旨の回答が得られました。本臨床研究は、三重大学医学部附属病院が2008年6月9日に臨床研究実施計画(総括責任者:珠玖(しく)洋教授)を厚生労働省に申請していました。なお、本臨床研究のタイトルは「MAGE-A4抗原特異的TCR遺伝子導入リンパ球輸注による治療抵抗性食道癌に対する遺伝子治療臨床研究」です。今後、三重大学医学部附属病院内での手続きを経て、今年の夏以降に本臨床研究が開始される予定です。

詳細は下記

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/07/22.htm


タカラバイオグループ中期経営計画を策定 ( 2009/5/12 )
タカラバイオ株式会社(社長:仲尾 功一)では、2009年4月から2012年3月末までのタカラバイオグループの中期経営計画を策定しました。
当社は、「遺伝子治療などの革新的なバイオ技術の開発を通じて、人々の健康に貢献する」ことを企業理念として、当社の基幹技術であるバイオテクノロジーを活用し、安定収益基盤である「遺伝子工学研究分野」、第2の収益事業化を目指す「医食品バイオ分野」、成長基盤である「遺伝子医療分野」の3つの事業分野において、事業を推進してまいりました。
本中期経営計画では、当社と米国クロンテック社との研究開発の効率化及び新製品開発力の強化等により「遺伝子工学研究分野」の事業の拡大・安定化を図り、健康志向食品の販売拡大やキノコの生産効率アップによる「医食品バイオ分野」の収益改善を進め、「遺伝子医療分野」における研究開発をさらに積極的に推進する計画です。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/05/12-3.htm


代表取締役および役員の異動ならびに人事異動に関するお知らせ ( 2009/5/12 )


http://www.takara-bio.co.jp/news/pdfs/09051203.pdf


平成21年3月期 決算発表について ( 2009/5/12 )


http://www.takara-bio.co.jp/news/pdfs/09051201.pdf
http://www.takara-bio.co.jp/news/pdfs/09051202.pdf


白血病の遺伝子治療として、HSV-TK遺伝子導入ドナーリンパ球を追加輸注する臨床研究実施計画が了承されました ( 2009/4/22 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と国立がんセンター中央病院とが共同で白血病に対する遺伝子治療臨床研究を開始するため、国立がんセンター中央病院は臨床研究実施計画(総括責任者:平家勇司医長)を厚生労働省に申請していましたが、本臨床研究の実施計画が、4月15日に開催された厚生科学審議会科学技術部会において了承されました。本臨床研究のタイトルは「ハプロタイプ一致ドナー由来T細胞除去造血幹細胞移植後のHSV-TK遺伝子導入Tリンパ球 "Add-back" 療法」です。厚生労働大臣からの通知を受けた後、国立がんセンター内での手続きを経て、本臨床研究が開始されます。

本遺伝子治療は、高リスク造血器悪性腫瘍患者にハプロタイプ一致造血幹細胞移植を行ったあと、感染症をはじめとした造血幹細胞移植の合併症を軽減しつつ重篤な移植片対宿主病(GVHD)が発症した時の沈静化の手段として、HSV-TK遺伝子導入ドナーリンパ球を追加輸注(Add-back)するというものです。これにより、適切なドナーが見つからないため、造血幹細胞移植を行えない造血器悪性腫瘍患者に新たな治療法が提供できることになります。

当社とモルメド社は相互にライセンス契約を締結し、当社がアジアにおける造血器悪性腫瘍を対象とするHSV-TK遺伝子治療の独占的な商業化権を保有する一方、モルメド社は欧州と米国における当社の遺伝子導入技術・レトロネクチン法の非独占的実施権を保有しています。今回了承された遺伝子治療は、モルメド社が高リスク造血器悪性腫瘍患者を対象として、イタリアで第III相臨床試験(無作為化比較試験)を実施しています。モルメド社は2009年以降に、臨床試験実施機関をイタリア以外の欧州や米国にも広げていく計画です。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/04/22.htm


白血病の遺伝子治療として、HSV-TK遺伝子導入ドナーリンパ球を追加輸注する臨床研究実施計画が了承されました ( 2009/4/22 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と国立がんセンター中央病院とが共同で白血病に対する遺伝子治療臨床研究を開始するため、国立がんセンター中央病院は臨床研究実施計画(総括責任者:平家勇司医長)を厚生労働省に申請していましたが、本臨床研究の実施計画が、4月15日に開催された厚生科学審議会科学技術部会において了承されました。本臨床研究のタイトルは「ハプロタイプ一致ドナー由来T細胞除去造血幹細胞移植後のHSV-TK遺伝子導入Tリンパ球 "Add-back" 療法」です。厚生労働大臣からの通知を受けた後、国立がんセンター内での手続きを経て、本臨床研究が開始されます。

本遺伝子治療は、高リスク造血器悪性腫瘍患者にハプロタイプ一致造血幹細胞移植を行ったあと、感染症をはじめとした造血幹細胞移植の合併症を軽減しつつ重篤な移植片対宿主病(GVHD)が発症した時の沈静化の手段として、HSV-TK遺伝子導入ドナーリンパ球を追加輸注(Add-back)するというものです。これにより、適切なドナーが見つからないため、造血幹細胞移植を行えない造血器悪性腫瘍患者に新たな治療法が提供できることになります。

当社は国立がんセンターと共同で、HSV-TK遺伝子を用いた造血器悪性腫瘍に対する遺伝子治療法の開発を進めており、HSV-TK遺伝子導入ドナーリンパ球を用いた再発白血病に対するドナーリンパ球輸注(DLI)療法の治験を2008年10月1日に同センター中央病院において開始しました。今回了承された遺伝子治療では、DLI療法の治験薬であるTBI-0301と同じレトロウイルスベクターを用いてHSV-TK遺伝子を導入したドナーリンパ球を患者に投与しますが、対象患者や治療法が異なります。本臨床研究から期待される成果をもとに、当社主導の治験の実施も視野に入れて、今後もHSV-TK遺伝子治療の臨床開発を推進していきます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/04/22.htm


iPS細胞作製に関する特許の、全世界での研究用途向けのライセンスをiPSアカデミアジャパン社より取得 ( 2009/4/8 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤 郁之進)とiPSアカデミアジャパン株式会社(社長:吉田修)とは、4月7日付でiPS細胞作製に関する特許の、全世界での研究用途向けの特許実施許諾契約を締結しました。

iPSアカデミアジャパン社は、国立大学法人京都大学より、山中伸弥教授が発明したiPS細胞作製に関する特許の実施権を許諾されています。今般、当社は、iPSアカデミアジャパン社より、全世界での研究用途向けのiPS細胞作製に関する特許の実施権の許諾を受け、iPS細胞作製用の研究用試薬の製造販売及び研究受託サービスを実施します。

当社は、本年3月3日に発表しましたとおり、既にヒトiPS細胞の効率的な作製に有用な研究用試薬「Human iPS Cell Generation? Vector Set」を発売し、この試薬等を使ったレトロウイルスベクター作製の受託サービスも開始しております。さらに、当社は、当社が開発した組換えタンパク質であるレトロネクチンRを用いることにより、非常に高効率にヒトiPS細胞を作製できることを見出しており、レトロネクチンR等のiPS細胞作製に有用な関連製品・技術により、iPS細胞関連研究をサポートして参ります。

<参考資料>

【iPSアカデミアジャパン株式会社の概要】
所在地 : 京都市上京区荒神通り河原町東入る亀屋町123番地
代表者 : 吉田 修(社長)
資本金 : 1億5千万円
事業概要 : iPS細胞の研究成果を社会に還元するために、京都大学が保有するiPS細胞技術に関する知的財産を管理活用することを主たる目的として2008年6月25日に設立された企業

【製品概要】
製品名 : Human iPS Cell Generation? Vector Set
内容 : (1) OCT3/4及びSOX2、(2) KLF4、(3) LIN28及びANOGのそれぞれの遺伝子を含むレトロウイルスベクタープラスミド
製品コード : 3670
容量 : 各プラスミド 5μg(全3種類)
価格 : 157,500円(税込)

【語句説明】
iPS細胞
体細胞に、再プログラム化に必要な数種類の遺伝子を導入し誘導される分化多能性を獲得した細胞のことです。2006年に京都大学山中伸弥教授らのグループにより、この現象が発見され人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells:iPS細胞)と名付けられました。iPS細胞は、ES(Embryonic Stem)細胞とほぼ同等の分化多能性を示すことから、薬剤開発、種々の疾患の病態解明や再生医療への応用が期待されています。

レトロネクチンR
レトロネクチンRは、ヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。当社はレトロネクチンRに関する日本を含む世界各国における物質特許を保有しています。レトロネクチンRを用いたレトロウイルスベクターによる遺伝子導入法は、レトロネクチン法として知られており、いまやレトロウイルスベクターによる遺伝子治療の臨床研究のスタンダードとなっています。そして、当社はレトロネクチンRの新たな機能として、リンパ球の培養を増強する効果を発見しています。

レトロウイルスベクター
レトロウイルスとは、一本鎖RNAをゲノムとするウイルスの一種で、このウイルスが感染した細胞では、RNAゲノムから合成されたDNAが染色体に組み込まれます。遺伝子治療用ベクターとして、レトロウイルスの一種であるマウス白血病ウイルス(MoMLV: Moloney murine leukemia virus)を特別な細胞の中でのみ増殖できるように改変し、自己増殖能を奪ったものが広く用いられています。このベクターを使用すれば種々の細胞に遺伝子導入を行うことができ、安定した形質発現が期待できます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/04/08.htm


レトロネクチンRで活性化するリンパ球の拡大培養法に基づくがん細胞免疫療法の臨床研究を京都府立医科大学で開始します ( 2009/4/2 )
レトロネクチンRで活性化するリンパ球の拡大培養法に基づくがん細胞免疫療法の臨床研究を京都府立医科大学で開始します
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と京都府公立大学法人京都府立医科大学(学長:山岸 久一)消化器内科 吉川敏一教授・古倉聡准教授のグループは、消化器がん(食道がん、胃がん、結腸がん、直腸がん、膵がん、胆道がん、肝細胞がん)及び肺がんを対象として、当社が開発したレトロネクチンRによるリンパ球の拡大培養法を用いたがん細胞免疫療法の臨床研究を平成21年4月6日に開始します。

当社は、リンパ球の拡大培養時にレトロネクチンRを用いると効率よくリンパ球の拡大培養(細胞を増やす)を行うことができるだけでなく、その増殖した細胞中には未分化な細胞であるナイーブT細胞が多く含まれていることを既に確認しています。このナイーブT細胞は、従来法で拡大培養したリンパ球と比べ、体内で持続的に働くことができるという特徴があるため、レトロネクチンRを使わない従来法と比べて、より高い治療効果が期待されます。

本臨床研究では、レトロネクチンRを用いて拡大培養したリンパ球の反復投与の安全性を評価することを主要評価項目(エンドポイント)とし、副次的エンドポイントとして腫瘍縮小効果を評価します。症例数は9例で、期間は1年間を予定しています。

当社は、京都府立医科大学にタカラバイオの寄附講座を開設していますが、本臨床研究においては、レトロネクチンRを用いたリンパ球の拡大培養技術を提供します。

今後、当社と京都府立医科大学とは共同で、レトロネクチンRを用いたがん細胞免疫療法に温熱療法などを組み合わせ、より治療効果の高いがん細胞免疫療法の臨床開発を進めていきます。

<参考資料>

【語句説明】
レトロネクチンR
レトロネクチンRは、ヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。当社はレトロネクチンRに関する日本を含む世界各国における物質特許を保有しています。レトロネクチンRを用いたレトロウイルスによる遺伝子導入法は、レトロネクチン法として知られており、いまやレトロウイルスによる遺伝子治療の臨床研究のスタンダードとなっています。そして、当社はレトロネクチンRの新たな機能として、リンパ球の培養を増強する効果を発見しています。

ナイーブT細胞
特異的な抗原により刺激を受け活性化されたことがない未分化T細胞で、血液中を循環し、2次リンパ組織において抗原提示細胞により抗原の提示を受け、細胞傷害性T細胞やヘルパーT細胞などに分化する能力を有しているとされています。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/04/02.htm


スペインの試薬メーカーであるバイオツールズ社にLA-PCR法のライセンスを供与 ( 2009/3/11 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と、スペインのバイオツールズ社(Biotools B&M Labs, S.A.、マドリード市)は、当社が保有するLA-PCR技術に関する特許の全世界における非独占的実施権をバイオツールズ社に供与するライセンス契約を、2009年3月11日付で締結しました。バイオツールズ社は、当社がLA-PCRの実施権を供与した世界で第23番目の企業です。なおこの特許は米国で2013年2月まで、日本と欧州諸国では2014年2月まで有効です。

本契約の締結によりバイオツールズ社は全世界においてLA-PCR法を利用する製品を製造・販売することができます。また、本契約に伴い、当社はバイオツールズ社より契約一時金及びライセンス対象製品の売上げに応じたランニングロイヤリティーを受け取ります。

LA-PCR法は、遺伝子工学の基幹技術であるPCR法の能力を飛躍的に向上させた画期的な技術で、「長く正確なポリメラーゼ連鎖反応(Long and Accurate Polymerase Chain Reaction)」を意味します。従来のPCR法では1万塩基をこえるDNAの増幅は困難でしたが、LA-PCR法により数万塩基の長鎖DNAを安定して正確に増幅することができるようになりました。LA-PCR技術がPCR法の欠点を補完し、ゲノム解析や長鎖フラグメントのクローニングおよび変異導入等のPCR法の応用分野をさらに拡大しました。

LA-PCR法は遺伝子工学分野の基盤技術の一つとして世界中に広く認知されており、さらに需要は高まっていくものと期待しています。当社は、今後もLA-PCR法のライセンス活動を積極的に行っていく予定です。

なお、本件について、当期の当社連結及び単体の業績に与える影響は軽微であります。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 バイオインダストリー部
       Tel 077-543-7212

当資料取り扱い上の注意点
資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。

<参考資料>

【バイオツールズ社の概要】
会社名 : Biotools B&M Labs, S.A.
設立 : 1996年
従業員数 : 40
住所 : c/Valle de Tobalina, 52 Nave 39 - 28021 Madrid- Spain
事業概要 : 分子生物学研究用試薬、体外診断薬の製造販売
ホームページ : http://www.biotools.eu/index.html

【語句説明】
PCR
Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略称です。温度サイクル装置(サーマルサイクラー)を使用し、微量のDNAを数時間のうちに数百万倍にまで増幅する技術です。

LA-PCR
LA-PCRとは、遺伝子工学の基幹技術であるPCR法の能力を飛躍的に向上させた画期的な新技術で、「長く正確なポリメラーゼ連鎖反応(Long and Accurate Polymerase Chain Reaction)」の意味です。
PCR法は、遺伝子工学分野だけでなく、生化学、生物学、医学など、生物を対象とした研究、検査の基幹技術となっていますが、長いDNAフラグメントの増幅が困難であったため、ゲノム解析等にPCRを応用する際の障害となっていました。
LA-PCR法の発明者であるバーンズ博士は、その主な原因を、DNAを合成する際に間違った塩基を取り込んでしまうと伸長反応はそこで停止してしまい増幅の効率が下がると捉え、これらの欠点を克服した、より長いDNAをより正確に増幅させるLA-PCR法を構築しました。LA-PCRにおいては、間違って取り込まれた塩基が取り除かれ、引き続き反応がスムーズに進みます。これによって、特に染色体DNAのような複雑で大きなDNAをターゲットにしたPCRにおいて、従来のPCR法では不可能であった長鎖DNAフラグメントの増幅が可能となりました。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/03/11.htm


EUの多施設で実施される急性リンパ性白血病の遺伝子治療臨床試験(Childhope Project)にレトロネクチンRを提供します ( 2009/3/9 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、フランスのレオンベラールセンター(Centre Leon-Berard; リヨン)のラファエル・ルソー博士(Raphael F. Rousseau)らが実施する急性リンパ性白血病の遺伝子治療の臨床試験に、当社が開発したレトロネクチンRを供給する契約を本日付で締結しました。本臨床試験は、EUが資金提供し、小児白血病やリンパ腫の効果的で安全な治療法の確立を目指す研究プログラムのひとつであるチャイルドホープ(Childhope)プロジェクト名のもとで、ヨーロッパ4カ国(フランス、イギリス、ドイツ、イタリア)の8施設で実施される予定です。



急性リンパ性白血病は、リンパ球が骨髄や末梢血中で異常に増殖することにより引き起こされる白血病の一種で、小児において最も多いタイプの白血病です。また、成人での1年間の発症率は約10万人に1人とされています。主な治療法は抗がん剤を用いた化学療法ですが、小児の約20%、成人の約65%においては化学療法後にも残存する白血病細胞が原因となり再発することが知られており、新たな治療法の開発が求められています。



本臨床試験では、急性リンパ性白血病を患い、造血幹細胞移植による治療を受けた後でも、なお再発する可能性が高いと診断された18歳未満の患者20名を対象として、レトロネクチン法を用いた遺伝子治療が実施されます。



レトロネクチン法で行われる遺伝子治療の臨床試験は、本臨床試験が第46番目となります。体外遺伝子治療は難病治療のための必須な治療法として世界中に広まりつつあり、同時に体外遺伝子治療に必要なスタンダード技術であるレトロネクチン法がよりいっそう認知され、さらに広がっていくものと期待しています。

<参考資料>



【Childhopeプロジェクトの概要】
Childhopeプロジェクトは、EUの複数の施設の臨床医および科学者により構成される、EUからの資金提供を受ける研究プログラムであり、遺伝子改変したT細胞を用いた革新的な小児白血病・リンパ腫の治療法の確立を目指しています。具体的には、マウスを用いた非臨床試験による本治療法の有効性・安全性の検証、ヒト臨床試験への応用、そしてそれらから得られるがん免疫に関する知見をもとに、小児白血病・リンパ腫に特有の新たなターゲットや診断ツールの有効性検証を行います。
Childhopeプロジェクトのホームページ: http://www.childhope.eu



【臨床試験の概要】
ドナーから提供された末梢血を、ほとんどのヒトが感染している最も一般的なウイルスであるエプスタイン・バー・ウイルス(EBV)というウイルスに感染した細胞と一緒に培養することにより、EBVを特異的に認識できる細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導します。さらに、このCTLに、がん化したリンパ球(Bリンパ球)に発現しているがん抗原(CD19)を特異的に認識することができるキメラ受容体遺伝子を、当社の開発したレトロネクチンRを用いてレトロウイルスベクターにより高効率に導入します。
遺伝子導入されたCTLを患者に投与すると、このCTLの表面に発現したキメラ受容体が、がん化したBリンパ球の細胞表面にある抗原(CD19)を認識して攻撃することができると考えられます。さらに、このCTLは、患者に投与された後も、患者の体内に潜伏感染しているEBVからの刺激を受け続けるため、長期間にわたって体内で生存し機能することができます。
これまで同様の遺伝子治療法において指摘されていた、投与された遺伝子導入細胞が患者体内で寿命が短いために十分に効果を発揮できないという欠点を補えると期待されています。



【語句説明】
レトロネクチンR
レトロネクチンRは、ヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。当社はレトロネクチンRに関する日本を含む世界各国における物質特許を保有しています。レトロネクチンRを用いたレトロウイルスベクターによる遺伝子導入法は、レトロネクチン法として知られており、いまやレトロウイルスベクターによる遺伝子治療の臨床研究のスタンダードとなっています。そして、当社はレトロネクチンRの新たな機能として、リンパ球の培養を増強する効果を発見しています。

造血幹細胞
生涯にわたって絶え間なく赤血球、白血球、血小板など各種の血液細胞の源となる細胞です。分裂増殖に伴って自己複製するとともに、同時に性質の異なる各種血球系細胞へ分化します。

エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)
エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)はヘルペスウイルス科に属する世界中に見られるウイルスで、ヒトに感染するウイルスとしては最も一般的なもののひとつです。日本人では9割以上が感染歴を持つとされます。ほとんどの場合、感染しても目立った症状を引き起こすことはありませんが、まれに一部のリンパ腫やがんの原因となることがあります。

がん抗原
がん細胞において発現している抗原タンパク質です。その一部(がん抗原ペプチド)はがん細胞の表面にMHCクラスIとともに発現していることがあります。がん抗原特異的な細胞傷害性T細胞はこのがん抗原ペプチドを認識しがん細胞を殺傷すると考えられています。

細胞傷害性Tリンパ球(CTL:Cytotoxic T Lymphocyte)
ウイルス感染細胞やがん細胞など特定の抗原を細胞表面にもつ細胞を殺傷するT細胞です。CD8分子を持つT細胞が主です。

キメラ受容体
あるがん抗原を特異的に認識するモノクローナル抗体由来の単鎖抗体(ScFV)と、T細胞受容体の細胞質シグナル伝達ドメインであるCD3ζ鎖を遺伝子工学的に結合させて作製された、改変されたがん抗原特異的な受容体です。

レトロウイルスベクター
レトロウイルスとは、一本鎖RNAをゲノムとするウイルスの一種で、このウイルスが感染した細胞では、RNAゲノムから合成されたDNAが染色体に組み込まれます。遺伝子治療用ベクターとして、レトロウイルスの一種であるマウス白血病ウイルス(MoMLV: Moloney murine leukemia virus)を特別な細胞の中でのみ増殖できるように改変し、自己増殖能を奪ったものが広く用いられています。このベクターを使用すれば種々の細胞に遺伝子導入を行うことができ、安定した形質発現が期待できます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/03/09.htm


ヒトiPS細胞作製用試薬を新発売 ( 2009/3/3 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤 郁之進)は、ヒトiPS細胞の効率的な作製に有用な研究用試薬「Human iPS Cell Generation? Vector Set」を3月30日より発売します。



ヒトiPS細胞を効率的に作製するためには、複数の遺伝子を効率よくヒト皮膚繊維芽細胞等の細胞に導入する必要があり、さらに細胞の中でこれらの遺伝子が効率よく発現されることが重要です。しかし現状ではヒトiPS細胞の誘導効率は極めて低く、昨年1月に京都大学から発表された論文(nature biotechnology)によれば、c-MYCを除く複数遺伝子(OCT3/4、SOX2、KLF4)を50万個の細胞に遺伝子導入した場合、0〜5個のiPS細胞が誘導されたという報告があります。つまり0〜0.001%というiPS細胞誘導効率で、iPS細胞の研究を行う上での障害の一つとなっています。
当社が開発した組換えタンパク質であるレトロネクチンRは、高効率に遺伝子を細胞に導入する目的で世界の遺伝子治療臨床研究で使用されています。このレトロネクチン法を用いることにより、従来法であるポリブレン法と比べ、10〜30倍高効率にヒトiPS細胞を作製できることを見出しました。この成果を、東京で開催される第8回日本再生医療学会総会にて3月5日に発表します。



当社は、この成果を研究者の方々に利用していただくため、iPS細胞を作製するための遺伝子((1)OCT3/4 及びSOX2 、(2)KLF4、(3)LIN28及びNANOG)を予め組み込んだレトロウイルスベクタープラスミドのセット((1)、(2)、(3)のそれぞれの遺伝子を組み込んだプラスミド)を販売します。これらのプラスミドは、高効率・高発現のレトロウイルスベクタープラスミドpDON-5 DNAを使用しており、本セットを使って作製したレトロウイルスベクターと、別途販売しているレトロネクチンRを使用して目的細胞に遺伝子導入することで、高効率にiPS細胞が作製できることになります。
また、同時に本セットを使ったレトロウイルスベクター作製の受託サービスも3月16日に開始します。



今回の新製品を始め、当社ではiPS細胞作製に有用な製品・技術を多数保有していますので、今後もiPS細胞関連の研究をサポートして参ります。



【製品概要】
製品名 : Human iPS Cell Generation? Vector Set
内容 : (1)OCT3/4 及びSOX2、(2)KLF4、(3)LIN28及びNANOGのそれぞれの遺伝子を含むレトロウイルスベクタープラスミド
製品コード : 3670
容量 : 各プラスミド 5μg(全3種類)
価格 : 157,500円(税込)

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/03/03.htm


ガゴメ昆布「フコイダン」シリーズ「TaKaRaフコイダン<カプセル>」新発売 ( 2009/1/26 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、好評販売中の「フコイダン」シリーズの新たな製品として、「TaKaRaフコイダン<カプセル>」を平成21年2月3日(火)より発売いたします。

「TaKaRaフコイダン<カプセル>」は、厳選した北海道産のガゴメ昆布「フコイダン」を、1粒に100 mg含有したカプセル形態の製品です。また、生きたままの乳酸菌(生菌)を配合し、保存料、着色料は一切使用しておりません。

製品形態をカプセルとし、ガゴメ昆布「フコイダン」を1粒あたり100 mg配合することで、“ガゴメ昆布「フコイダン」を1日により多く飲みたい。飲みやすい方がよい。”という、お客様のご要望にお応えできる形態となりました。
1日2粒を目安に、水などと一緒にお召し上がりください。

本製品は、宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)が販売いたします。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2009/01/26.htm


米国セント・ジュード小児研究病院が実施する急性リンパ性白血病を対象とした新しいタイプの遺伝子治療臨床試験に対してレトロネクチンRをライセンス供給します ( 2008/12/25 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、米国セント・ジュード小児研究病院(St. Jude Children's Research Hospital、テネシー州)のダリオ・カンパナ博士(Dario Campana)らのグループが実施する急性リンパ性白血病を対象とした遺伝子治療の臨床試験に、当社の開発したレトロネクチンRを供給する契約を2008年12月25日付で締結しました。

急性リンパ性白血病は、リンパ球が骨髄や末梢血中で異常に増殖することにより引き起こされる白血病の一種で、小児において最も多いタイプの白血病です。また、成人での1年間の発症率は約10万人に1人とされています。主な治療法は抗がん剤を用いた化学療法ですが、小児の約20%、成人の約65%においては化学療法後にも残存する白血病細胞が原因となり再発することが知られており、新たな治療法の開発が求められています。

カンパナ博士らが実施する臨床試験では、まず、ドナーから提供された末梢血の中から、ナチュラルキラー(NK)細胞という免疫細胞のみを体外で選択的に拡大培養します。そして、そのNK細胞に、がん化したリンパ球(B細胞)に発現しているCD19という抗原を特異的に認識することのできるキメラ受容体遺伝子を、当社の開発したレトロネクチンRを用いてレトロウイルスベクターにより高効率に導入します。続いて、この遺伝子を導入したNK細胞を患者に投与することにより、これらががん化したB細胞の表面に発現しているCD19を認識し、がん細胞を特異的に攻撃することができると考えられます。NK細胞は本来それ自身でもがん細胞を攻撃する能力を持っていますが、このキメラ受容体を人為的に発現させることにより、より特異的にがん細胞を認識して攻撃させることができるというメカニズムです。この遺伝子治療の新しさは、現在広く行われているTリンパ球を用いるのではなくNK細胞を用いるところにあります。



本臨床試験は、18歳以下の難治性あるいは再発性の急性リンパ性白血病患者を対象とし、9名から30名が登録され、最大で3年をかけて行われる予定です。



当社のレトロネクチン法のライセンスを受けて行われる遺伝子治療の臨床試験は、本臨床試験が世界で第45番目となります。体外遺伝子治療は難病治療のための必須な治療法として世界中に広まりつつあり、同時に体外遺伝子治療に必要なスタンダード技術であるレトロネクチン法がよりいっそう認知され、さらに広がっていくものと期待しています。

<参考資料>

【語句説明】
レトロネクチンR
レトロネクチンRは、ヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。当社はレトロネクチンRに関する日本を含む世界各国における物質特許を保有しています。レトロネクチンRを用いたレトロウイルスによる遺伝子導入法は、レトロネクチン法として知られており、いまやレトロウイルスによる遺伝子治療の臨床研究のスタンダードとなっています。そして、当社はレトロネクチンRの新たな機能として、リンパ球の培養を増強する効果を発見しています。

ナチュラルキラー(NK)細胞
生体の免疫系は、種々の抗原に感作されて惹起される獲得免疫と、元から備わっている自然免疫があります。獲得免疫は、予め感作によって記憶されていないと働かないのに対し、自然免疫は、ウイルスや病原菌が生体内に入った際に、即座に応答できる機構です。NK細胞は、自然免疫で働く細胞傷害性リンパ球の一種であり、がん細胞やウイルス感染細胞などを傷害します。

キメラ受容体
あるがん抗原を特異的に認識するモノクローナル抗体由来の単鎖抗体(ScFV)と、T細胞受容体の細胞質シグナル伝達ドメインであるCD3ζ鎖を遺伝子工学的に結合させて作製された、改変されたがん抗原特異的な受容体です。

レトロウイルスベクター
レトロウイルスとは、一本鎖RNAをゲノムとする約0.1 μmのウイルスで、このウイルスが感染した細胞では、RNAゲノムから合成されたDNAが染色体に組み込まれます。遺伝子治療用ベクターとして、レトロウイルスの一種であるマウス白血病ウイルス(MLV: murine leukemia virus)を特別な細胞の中でのみ増殖できるように改変し、自己増殖能を奪ったものが広く用いられています。このベクターを使用すれば種々の細胞に遺伝子導入を行うことができ、安定した形質発現が期待できます。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2008/12/25.htm


カリフォルニア大学(UCLA)が実施する悪性黒色腫を対象とした遺伝子治療の臨床試験にレトロネクチンRをライセンス供給 ( 2008/12/1 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles; UCLA)のアントニ・リバス博士(Antoni  Ribas)らのグループが実施する悪性黒色腫を対象とした臨床試験に、当社が開発したレトロネクチンRをライセンス供給する契約を2008年12月1日付で締結しました。本臨床試験には22人の患者が登録される予定です。

悪性黒色腫は、皮膚の色素であるメラニンを産生する細胞であるメラノサイト、あるいは母斑細胞(ほくろの細胞)が悪性腫瘍化したもので、単に黒色腫またはメラノーマと呼ばれることもあります。皮膚がんのうちで最も恐ろしいものとされ、全世界で毎年16万人近くが悪性黒色腫の診断を受け、また約48,000人が悪性黒色腫により死亡しています。

UCLAで実施される臨床試験では、患者から採取したTリンパ球に、悪性黒色腫のがん抗原であるMART-1を特異的に認識することのできるT細胞受容体(TCR)の遺伝子を、当社が開発したレトロネクチンRを用いてレトロウイルスベクターにより高効率に導入します。このTCR遺伝子を導入したTリンパ球を体外で拡大培養後に患者に輸注すると、TCRを細胞表面に発現したTリンパ球が、がん抗原を特異的に認識し、腫瘍を攻撃します。
本臨床試験では、このTCR遺伝子を導入したリンパ球に加えて、MART-1抗原ペプチドを結合させた患者の樹状細胞を患者に輸注します。これにより、患者体内で腫瘍を攻撃するための免疫力をさらに高めることができます。

当社のレトロネクチン法のライセンスを受けて行われる遺伝子治療の臨床試験は、本臨床試験が世界で第44番目となります。体外遺伝子治療は難病治療のための必須な治療法として世界中に広まりつつあり、同時に体外遺伝子治療に必要なスタンダード技術であるレトロネクチン法がよりいっそう認知され、さらに広がっていくものと期待しています。

<参考資料>

【語句説明】
レトロネクチンR
レトロネクチンRは、ヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。当社はレトロネクチンRに関する日本を含む世界各国における物質特許を保有しています。レトロネクチンRを用いたレトロウイルスによる遺伝子導入法は、レトロネクチン法として知られており、いまやレトロウイルスによる遺伝子治療の臨床研究のスタンダードとなっています。そして、当社はレトロネクチンRの新たな機能として、リンパ球の培養を増強する効果を発見しています。

がん抗原
がん細胞において発現している抗原タンパク質です。その一部(がん抗原ペプチド)はがん細胞の表面にMHCクラスIとともに発現していることがあります。がん抗原特異的な細胞傷害性T細胞はこのがん抗原ペプチドを認識しがん細胞を殺傷すると考えられています。

T細胞
抗体産生の調節と標的細胞の傷害の役割を担う重要な細胞で、Tリンパ球とも呼ばれます。免疫系の司令塔的な役割を担っており、末梢リンパ組織の胸腺依存領域に主に分布します。

T細胞受容体(TCR)
T細胞に発現される糖タンパク質で、T細胞が抗原を認識する受容体です。

レトロウイルスベクター
レトロウイルスとは、一本鎖RNAをゲノムとする約0.1 μmのウイルスで、このウイルスが感染した細胞では、RNAゲノムから合成されたDNAが染色体に組み込まれます。遺伝子治療用ベクターとして、レトロウイルスの一種であるマウス白血病ウイルス(MoMLV: Moloney murine leukemia virus)を特別な細胞の中でのみ増殖できるように改変し、自己増殖能を奪ったものが広く用いられています。このベクターを使用すれば種々の細胞に遺伝子導入を行うことができ、安定した形質発現が期待できます。

樹状細胞
特異的な免疫応答を誘導する抗原とMHC分子の複合体を細胞表面上に提示して、T細胞を抗原特異的に活性化することができる細胞です。細胞外から抗原ペプチドを加えることによってもこの複合体を提示することができます。樹状細胞はもっとも強力な抗原提示細胞と考えられています。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2008/12/01.htm


カリフォルニア大学(UCLA)が実施する悪性黒色腫を対象とした 遺伝子治療の臨床試験にレトロネクチン(R)をライセンス供給 ( 2008/12/1 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California,Los Angeles;UCLA)のアントニ・リバス博士(Antoni Ribas)らのグループが実施する悪性黒色腫を対象とした臨床試験に、当社が開発したレトロネクチン(R)をライセンス供給する契約を2008年12月1日付で締結しました。本臨床試験には22人の患者が登録される予定です。

 悪性黒色腫は、皮膚の色素であるメラニンを産生する細胞であるメラノサイト、あるいは母斑細胞(ほくろの細胞)が悪性腫瘍化したもので、単に黒色腫またはメラノーマと呼ばれることもあります。皮膚がんのうちで最も恐ろしいものとされ、全世界で毎年16万人近くが悪性黒色腫の診断を受け、また約48,000人が悪性黒色腫により死亡しています。

 UCLAで実施される臨床試験では、患者から採取したTリンパ球に、悪性黒色腫のがん抗原であるMART−1を特異的に認識することのできるT細胞受容体(TCR)の遺伝子を、当社が開発したレトロネクチン(R)を用いてレトロウイルスベクターにより高効率に導入します。このTCR遺伝子を導入したTリンパ球を体外で拡大培養後に患者に輸注すると、TCRを細胞表面に発現したTリンパ球が、がん抗原を特異的に認識し、腫瘍を攻撃します。
 本臨床試験では、このTCR遺伝子を導入したリンパ球に加えて、MART−1抗原ペプチドを結合させた患者の樹状細胞を患者に輸注します。これにより、患者体内で腫瘍を攻撃するための免疫力をさらに高めることできます。

 当社のレトロネクチン法のライセンスを受けて行われる遺伝子治療の臨床試験は、本臨床試験が世界で第44番目となります。体外遺伝子治療は難病治療のための必須な治療法として世界中に広まりつつあり、同時に体外遺伝子治療に必要なスタンダード技術であるレトロネクチン法がよりいっそう認知され、さらに広がっていくものと期待しています。

●当資料取り扱い上の注意点
 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。



明日葉カルコンの抗メタボリックシンドローム作用を動物試験とヒト試験で確認 ( 2008/11/4 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)のバイオ研究所は、明日葉に豊富に含まれるポリフェノールの一種である明日葉カルコンが、抗メタボリックシンドローム作用を発揮することを動物試験とヒト試験で明らかにしました。この成果を本年11月17日に東京で開催される第13回日本フードファクター学会総会で発表します。
セリ科植物・明日葉には、キサントアンゲロール、4−ハイドロキシデリシンなどの特徴的なポリフェノール成分が含まれており、当社はこれらを明日葉カルコンと呼んでいます。当社バイオ研究所では、前駆脂肪細胞を用いた実験で明日葉カルコンがインスリンに似た働きを示すことや、2型糖尿病モデル動物での経口摂取試験で血糖値の低下作用を示すことなどを既に明らかにしています。

 今回、明日葉カルコンの抗メタボリックシンドローム作用を明らかにする目的でメタボリックシンドロームモデル動物を用いて評価しました。フルクトースを過剰に摂取させるモデル実験において、ラットに明日葉カルコン粉末を3%混ぜた餌を11週間経口摂取させ、定期的に血糖値、血中インスリン値、血中アディポネクチン値を測定しました。その結果、明日葉カルコン粉末を摂取していない群では、フルクトース負荷で血糖値が約15%、血中インスリン値が約220%上昇しましたが、明日葉カルコン粉末を摂取した群では、ほぼ正常レベルにまで抑制され、メタボリックシンドロームの主要な症状であるインスリン抵抗性の改善が認められました(図1)。また、明日葉カルコン粉末を摂取していない群では約30%低下していた抗メタボリックシンドロームホルモンであるアディポネクチンの血中濃度は、明日葉カルコン粉末を摂取した群では、正常レベルにまで改善しました。

 一方ヒト試験では、メタボリックシンドローム該当者と予備軍の成人(35〜65歳)9名(男性7名、女性2名)を対象に明日葉青汁(1日当たり明日葉カルコン量として12mg摂取)を8週間摂取させ、抗メタボリックシンドローム作用を評価しました。その結果、体重、肥満度の指数(BMI)、体脂肪率、腹部内臓脂肪面積の減少が認められました。特に腹部内臓脂肪面積の平均減少量は25.5cm2で、減少率は15%でした。さらに、被験者9名のうち5名に血糖値(3〜12mg/dL)、4名にHbA1c(0.2〜0.5%)、8名にLDL−コレステロール値(2〜45mg/dL)の低下がそれぞれ認められました。また、アディポネクチンの血中濃度は摂取前に比べて増加傾向を示しました。以上のような結果から、明日葉カルコンには抗メタボリックシンドローム作用があることが明らかになりました。 当社では、引き続き明日葉カルコンの生理作用に関する研究を進めていくとともに、その他の機能性食品素材についても開発を続けていきます。



リアルタイムPCR法により、迅速に ウシ白血病ウイルス(BLV)を検出する試薬を発売 ( 2008/10/31 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤 郁之進)は、リアルタイムPCR法を用いて、ウシ白血病ウイルス(BLV)を特異的かつ迅速に検出する試薬「CycleavePCR(R) ウシ白血病ウイルス(BLV)検出キット」を11月4日より発売します。本製品は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所との共同研究の成果に基づき、当社が製品化しました。
 近年、ウシ白血病ウイルス汚染は世界各地に発生しており、疾病の発生件数も急増傾向にあり、さらなる感染牛の拡大が懸念されています。ウシ白血病ウイルスの感染を子牛の段階から早期に確実に検出することで、感染拡大を防止することが可能となります。ウシ白血病ウイルスは、血液や乳汁のリンパ球のDNAにプロウイルスとして組み込まれるレトロウイルスです。日本においてこのウイルスに感染したウシの割合は約20%と言われており、感染牛のうち、数%が発症します。感染してから発症までが5〜10年と長く、発症牛では、削痩(さくそう)、元気消失、眼球突出、下痢、便秘などの症状がみられ、血液中のBリンパ球が腫瘍化して全身臓器に転移し、機能不全を起こし死亡します。また、治療法が確立されていないことから、このウイルスが引き起こす畜産農家への経済的損失は非常に深刻です。現在、ウシ白血病ウイルスの検出は、ウイルス分離法や抗体検出法が用いられていますが、PCR法等の遺伝子検出技術を応用した多検体処理が可能で迅速、高感度な検出方法が待ち望まれていました。
 本試薬は、Tax遺伝子をターゲットとして、プロウイルスとして組み込まれたウシ白血病ウイルスをリアルタイムPCR法で検出するためのキットです。本試薬を使用すれば、サンプルの調製からウイルスの検出までを約2時間で行うことができます。

【製品概要】
 製品名:CycleavePCR(R) ウシ白血病ウイルス(BLV)検出キット
 製品コード:CY224
 容量:50回 価格:52,500円(税込)

 *製品画像は、関連資料を参照してください。

●当資料取り扱い上の注意点
 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。



ガゴメ昆布フコイダンの経口摂取による抗腫瘍作用は小腸の免疫組織・パイエル板を介して免疫系が活性化された結果であることを確認 ( 2008/10/28 )
 タカラバイオ株式会社のバイオ研究所は、ガゴメ昆布フコイダンが示す抗腫瘍作用には、小腸にあるパイエル板という組織を介した免疫系の活性化が関与することを見出しました。この成果を10月29日に名古屋で開催される第67回日本癌学会学術総会で発表します。

フコイダンは、硫酸化されたフコースという糖から構成される多糖であり、海藻に特徴的に含まれる食物繊維の一つです。当社は、1995年にフコイダンの化学構造を世界で初めて解明して以来、フコイダンに関する研究を化学構造と生理活性の両面から行っています。これまでに当社は、ガゴメ昆布にはF、G、Uの3種類のフコイダンが存在し、他種類の海藻由来のフコイダンより強い抗腫瘍作用を示すことを発表しています。また、ガゴメ昆布フコイダンの経口摂取によりナチュラル・キラー活性(NK活性)が増強されることなどを既に明らかにしています。

今回、経口摂取によるガゴメ昆布フコイダンの抗腫瘍作用のメカニズムを明らかにする目的で、小腸にあるパイエル板とよばれる免疫組織に焦点を当て評価しました。食物や微生物などと常に接している腸管は最大の免疫臓器であり、生体の6〜7割の免疫細胞が集まっているといわれています。パイエル板は、腸管の免疫、ひいては全身の免疫を活性化する際に重要な役割を果たしていることから、近年注目されている組織です。

マウスの小腸よりパイエル板由来の細胞を調製し、ガゴメ昆布フコイダン(平均分子量:約20万)とともに37℃で3日間培養しました。この培養液中のインターフェロン−γ量を測定したところ、フコイダンを添加しなかった対照群と比べて2.7倍のインターフェロン−γが産生されていました。さらに、経口摂取におけるガゴメ昆布フコイダンのパイエル板活性化作用を見るために、マウスにガゴメ昆布フコイダンを餌に混ぜて摂取させ、6週間後にパイエル板細胞からのインターフェロン−γ産生量を測定しました。その結果、ガゴメ昆布フコイダンを摂取したマウスのパイエル板細胞は、摂取しなかった対照群と比べて2.3倍のインターフェロン−γを産生しました。

インターフェロン−γには、ナチュラル・キラー細胞を活性化させる作用などが報告されています。これらの結果により、ガゴメ昆布フコイダンを経口摂取した際に、フコイダンが腸管内でパイエル板を介して免疫細胞に働き、ナチュラル・キラー活性を高めるなど全身の免疫系を活性化することにより、抗腫瘍作用を発揮することが示唆されました。

当社では、引き続きガゴメ昆布由来フコイダンの生理活性に関する研究を進めていくとともに、機能性食品素材としての開発を続けていきます。

<参考資料>
【語句説明】
フコイダン
昆布、ワカメ、モズクなど、褐藻類に属する海藻のヌメリ成分の一つで、硫酸化L−フコースを構成成分とする硫酸化多糖の総称です。ガゴメ昆布には乾燥重量の約5%含まれています。

ナチュラル・キラー(NK)活性
生体の免疫系は、種々の抗原に感作されて惹起される獲得免疫と、元から備わっている自然免疫があります。獲得免疫は、予め感作によって記憶されていないと働かないのに対し、自然免疫は、ウイルスや病原菌が生体内に入った際に、即座に応答できる機構です。NK活性は、自然免疫で働くNK細胞が、癌細胞を傷害する活性を表す指標に用いられます。

パイエル板
小腸の腸管粘膜内にあるリンパ節様の細胞集合体で、腸管を介した免疫系の活 性化に関与しています。マウスでは数個から十数個、ヒトでは数十個が小腸に点在しています。

インターフェロン−γ
活性化されたT細胞やNK細胞などから産生されます。NK細胞、細胞傷害性T細胞、マクロファージなどの免疫細胞の活性化作用や抗ウイルス作用が知られています。



ガゴメ昆布フコイダンの経口摂取による抗腫瘍作用は小腸の免疫組織・パイエル板を介して 免疫系が活性化された結果であることを確認 ( 2008/10/27 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)のバイオ研究所は、ガゴメ昆布フコイダンが示す抗腫瘍作用には、小腸にあるパイエル板という組織を介した免疫系の活性化が関与することを見出しました。この成果を10月29日に名古屋で開催される第67回日本癌学会学術総会で発表します。

 フコイダンは、硫酸化されたフコースという糖から構成される多糖であり、海藻に特徴的に含まれる食物繊維の一つです。当社は、1995年にフコイダンの化学構造を世界で初めて解明して以来、フコイダンに関する研究を化学構造と生理活性の両面から行っています。これまでに当社は、ガゴメ昆布にはF、G、Uの3種類のフコイダンが存在し、他種類の海藻由来のフコイダンより強い抗腫瘍作用を示すことを発表しています。また、ガゴメ昆布フコイダンの経口摂取によりナチュラル・キラー活性(NK活性)が増強されることなどを既に明らかにしています。

 今回、経口摂取によるガゴメ昆布フコイダンの抗腫瘍作用のメカニズムを明らかにする目的で、小腸にあるパイエル板とよばれる免疫組織に焦点を当て評価しました。食物や微生物などと常に接している腸管は最大の免疫臓器であり、生体の6〜7割の免疫細胞が集まっているといわれています。パイエル板は、腸管の免疫、ひいては全身の免疫を活性化する際に重要な役割を果たしていることから、近年注目されている組織です。

 マウスの小腸よりパイエル板由来の細胞を調製し、ガゴメ昆布フコイダン(平均分子量:約20万)とともに37℃で3日間培養しました。この培養液中のインターフェロン−γ量を測定したところ、フコイダンを添加しなかった対照群と比べて2.7倍のインターフェロン−γが産生されていました。さらに、経口摂取におけるガゴメ昆布フコイダンのパイエル板活性化作用を見るために、マウスにガゴメ昆布フコイダンを餌に混ぜて摂取させ、6週間後にパイエル板細胞からのインターフェロン−γ産生量を測定しました。その結果、ガゴメ昆布フコイダンを摂取したマウスのパイエル板細胞は、摂取しなかった対照群と比べて2.3倍のインターフェロン−γを産生しました。

 インターフェロン−γには、ナチュラル・キラー細胞を活性化させる作用などが報告されています。これらの結果により、ガゴメ昆布フコイダンを経口摂取した際に、フコイダンが腸管内でパイエル板を介して免疫細胞に働き、ナチュラル・キラー活性を高めるなど全身の免疫系を活性化することにより、抗腫瘍作用を発揮することが示唆されました。

 当社では、引き続きガゴメ昆布由来フコイダンの生理活性に関する研究を進めていくとともに、機能性食品素材としての開発を続けていきます。



再発白血病に対するHSV−TK遺伝子治療の治験を開始 ( 2008/10/7 )
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、白血病などの造血器悪性腫瘍を対象としたHSV−TK遺伝子治療(開発コード:TBI−0301)の治験届を、本年6月30日に医薬品医療機器総合機構に提出し、治験開始に向けた手続きを進めてまいりましたが、10月1日付で国立がんセンターと治験契約を締結、同センター中央病院で治験(第I相臨床試験)を開始することになりました。

 国内で体外遺伝子治療の治験が開始されるのはこれが初めてです。

 近年、同種造血幹細胞移植後の再発白血病患者に対して、ドナーリンパ球輸注(DLI)療法が行われるようになりましたが、副作用として生じる移植片対宿主病(GVHD)が重大な問題です。本治験のHSV−TK遺伝子治療は、レトロウイルスベクター(治験薬TBI−0301)を用いてドナー由来のリンパ球にHSV−TK遺伝子を導入し、この遺伝子導入リンパ球によるDLI療法を実施して白血病を治療しようとするものです。

 GVHDが発症した際には、導入されたHSV−TK遺伝子の働きにより、ガンシクロビルを投与することでドナー由来のリンパ球のみを消滅させ、GVHDの沈静化を図ります。

 本治験の目的は、遺伝子導入リンパ球によるDLI療法の安全性、遺伝子導入リンパ球の血中動態、及び重度GVHD発症時のガンシクロビル投与によるGVHD沈静化能を検討することです。本治験は、非盲検試験で行い、被験者数は9例を予定しています。この治験によって、我が国における遺伝子治療や細胞治療の足場が築かれることが期待できます。

当資料取り扱い上の注意点
 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。

 実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。


<参考資料>

【語句説明】

TBI−0301を用いたHSV−TK遺伝子治療
 TBI−0301は単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼ(HSV−TK)遺伝子を発現させるレトロウイルスベクターです。ガンシクロビルは、通常の細胞に対しては弱い毒性しか示しませんが、HSV−TK遺伝子を発現する細胞内ではリン酸化され、強い細胞毒性を有する最終産物に変化します。したがって、ガンシクロビルによってHSV−TK遺伝子を発現する細胞のみを死滅させることが可能であり、このことから、HSV−TK遺伝子は自殺遺伝子とも呼ばれています。
 HSV−TK遺伝子治療とは、同種造血幹細胞移植のドナーから採取したリンパ球に、TBI−0301を用いてHSV−TK遺伝子を体外で導入、このリンパ球を同種造血幹細胞移植後に再発した患者さんへのドナーリンパ球輸注(DLI)療法に使用するというものです。HSV−TK遺伝子の導入により、重度の移植片対宿主病(GVHD)が生じた場合はガンシクロビルを投与してドナー由来のリンパ球のみを死滅させ、GVHDを沈静化させることができます。さらに、将来的には移植するリンパ球数を増加させ治療効果を高める事も期待できます。

ドナーリンパ球輸注(DLI)療法
 ドナーリンパ球には、白血病細胞を免疫学的に攻撃し、死滅させる能力(GVL効果)があることが、臨床データから明らかとされています。微少残存病変の根絶を図る目的も含めて、この特徴を治療法として応用したのがドナーリンパ球輸注療法です。現在、同種造血幹細胞移植後の慢性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群の再発に対する有効な治療法として確立されています。

移植片対宿主病(GVHD)
 移植したドナー由来のリンパ球が、患者の正常な細胞や組織を異物とみなして攻撃する免疫反応です。



悪性脳腫瘍の一種である神経膠芽腫の遺伝子治療を実施する ワシントン大学医学部にレトロネクチン(R)を供給 ( 2008/9/29 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、米国ワシントン大学医学部(University of Washington School of Medicine、ワシントン州)のハンスピーター・キエム教授(Hans−Peter Kiem)らのグループが実施する神経膠芽腫(しんけいこうがしゅ)(Glioblastoma)の遺伝子治療の臨床試験に、当社が開発したレトロネクチン(R)を供給する契約を2008年9月29日付で締結しました。

 神経膠芽腫は、脳に発生する悪性腫瘍の一種である神経膠腫(しんけいこうしゅ)と呼ばれる腫瘍の中で最も高い悪性度に分類されるもので、診断後の平均生存期間が約12か月という治療が大変困難な疾患です。

 一般に、神経膠腫は正常な脳との境界が不鮮明であり、手術で全部を摘出することが難しいため、手術後に放射線療法や化学療法が施されます。しかし、化学療法に用いられる抗がん剤は、骨髄に対して毒性がありその造血機能を悪化させるため、投与量を制限しなければならないという大きな難点がありました。

 キエム教授らが実施する臨床試験ではこの難点を克服することを目指し、以下のような治療が行われます。まず、患者から採取した造血幹細胞(CD34陽性細胞)に、抗がん剤に対する耐性を与えることができる変異体酵素(MGMT−P140K)の遺伝子を、レトロウイルスベクターにより当社の開発したレトロネクチン(R)を用いて高効率に導入します。続いて、この遺伝子を導入した造血幹細胞を患者の体内に再び戻します。この結果、抗がん剤耐性付与酵素(MGMT−P140K)を発現した患者の造血幹細胞は、抗がん剤の毒性による影響を受け難くなります。したがって従来から問題となっている抗がん剤の副作用を抑制しながら、より高用量の抗がん剤を投与することができ、神経膠芽腫を治癒できる可能性が高まると考えられます。

 本臨床試験では15〜30人の患者が登録される予定です。

 当社が供給するレトロネクチン(R)を用いて行われる臨床試験は、本臨床試験が世界で43番目となります。体外遺伝子治療は難病治療のための有効な一手法として世界中に広まりつつあり、同時に体外遺伝子治療に用いられるスタンダード技術である当社のレトロネクチン法もよりいっそう認知され、さらに広がっていくものと期待しています。

 当資料取り扱い上の注意点 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。

<参考資料>
【語句説明】

レトロネクチン(R)
 レトロネクチン(R)は、ヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。当社はレトロネクチンに関する日本を含む世界各国における物質特許を保有しています。標的細胞とレトロウイルスの両者に対して特異的相互作用を持つことにより、レトロネクチン(R)上で、レトロウイルスと標的細胞が密接に接触し、遺伝子導入効率が上がると考えられています。

 このレトロネクチン法によって、従来技術では困難であった、造血幹細胞等の血球系細胞へのレトロウイルスベクターによる高効率遺伝子導入が可能となりました。

 造血幹細胞 生涯にわたって絶え間なく赤血球、白血球、血小板など各種の血液細胞の源となる細胞です。分裂増殖に伴って自己複製するとともに、同時に性質の異なる各種血球系細胞へ分化します。

 レトロウイルスベクター レトロウイルスとは、一本鎖RNAをゲノムとする約0.1 μmのウイルスで、このウイルスが感染した細胞では、RNAゲノムから合成されたDNAが染色体に組み込まれます。遺伝子治療用ベクターとして、レトロウイルスの一種であるマウス白血病ウイルス(MoMLV:Moloney murine leukemia virus)を特別な細胞の中でのみ増殖できるように改変し、自己増殖能を奪ったものが広く用いられています。このベクターを使用すれば種々の細胞に遺伝子導入を行うことができ、安定した形質発現が期待できます。



アトピー性皮膚炎が、寒天オリゴ糖の経口摂取によって抑制されることを発見 ( 2008/9/24 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)バイオ研究所は、寒天を酸分解することによって生成されるアガロオリゴ糖(寒天オリゴ糖)に、アトピー性皮膚炎を抑える働きがあることを、皮膚炎モデル動物を用いた実験で明らかにしました。この成果を、京都市で開催される第58回日本体質医学会総会で9月28日に発表します。 
 寒天オリゴ糖は、寒天の主成分であるアガロースを酸分解することによって得られる2糖〜8糖のオリゴ糖で、ガラクトースと3,6−アンハイドロガラクトースが交互に繋がった糖鎖構造をもっています。当社バイオ研究所では、培養細胞を用いた実験で寒天オリゴ糖が酸化作用の強い一酸化窒素(NO)の産生を抑制する抗酸化作用や解毒酵素の活性増強作用があり、寒天オリゴ糖を経口投与した動物実験において、関節炎抑制作用や発がん抑制作用などを有することを既に明らかにしています。

 今回は、寒天オリゴ糖の水溶液を、アトピー性皮膚炎モデル動物に4週間自由摂取させ、定期的な皮膚炎症状の観察や皮膚からの水分蒸散量の測定、血中IgE抗体濃度の測定を行いました。また摂取終了後、皮膚組織における炎症関連遺伝子の発現解析を行いました。 その結果、皮膚炎の発症と進行に伴う皮膚炎スコアの増加や皮膚角質層の破壊による皮膚からの水分蒸散量の増加が寒天オリゴ糖の経口摂取により抑制されました。また、摂取4週目において、アレルギーの指標である血中IgE抗体濃度が寒天オリゴ糖によって約55%抑えられました。さらに、摂取終了後の皮膚における炎症関連遺伝子の発現をリアルタイムPCRで解析した結果、炎症に強く関与するシクロオキシゲナーゼ−2遺伝子(COX2)の発現上昇が約60%抑えられました。これらの結果は、寒天オリゴ糖の摂取がアトピー性皮膚炎を抑える働きがあることを示しています。

 当社では、引き続き寒天オリゴ糖の生理活性に関する研究を進めていくとともに、機能性食品素材として提供していきたいと考えています。



化粧品原料メーカー、一丸ファルコス株式会社に セラミダーゼ阻害剤に関する特許の日本国内における独占的実施権を供与 ( 2008/9/16 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と、一丸(いちまる)ファルコス株式会社(社長:安藤芳彦)は、当社が保有するセラミダーゼ阻害剤に関する特許の日本国内における独占的実施権を、一丸ファルコス社に供与する契約を締結し、本年9月21日より発効します。本契約締結により、一丸ファルコス社はセラミダーゼ阻害剤を含む製品を日本国内で製造・販売することができ、当社は一丸ファルコス社より契約一時金及びライセンス対象製品の売上に応じたランニングロイヤリティーを受け取ります。

 セラミド[※]は皮膚における主要な細胞間脂質成分であり、皮膚(角質)の保湿能や特にバリア機能において大きな役割を果たしています。セラミドが不足すると水分を保持することができず乾燥した肌になり、バリア機能が低下して外界からの刺激を受けやすい状態になるため、さまざまなトラブルを引き起こすと考えられています。

 当社と九州大学大学院生物資源環境科学府生物機能科学部門の伊東信(まこと)教授とは、皮膚にとって最も重要なセラミドを分解する酵素であるセラミダーゼに関する共同研究を行ってきました。当社は、この共同研究成果を利用し、独自でこれらのセラミダーゼを阻害する活性を持つ天然素材を探索した結果、ワカメ、マコンブなどの褐藻類をはじめとする植物抽出物が、セラミダーゼに対して特異的な阻害活性を有していることを見出し、特許出願を行いました。これらの植物抽出物を皮膚細胞や人工培養皮膚に添加すると、細胞内あるいは人工皮膚中のセラミド量が添加したエキス濃度に依存して有意に増加することも確認しています。つまり、これらの植物抽出物により皮膚中のセラミド量が増加し、皮膚が保湿能の高い状態を維持できると考えられます。

 一丸ファルコスは、本特許技術を用いて、従来のセラミドを配合する化粧品素材とは異なり、ヒトの皮膚細胞に働きかけて皮膚が作り出すセラミドを増加させる、新しいタイプの化粧品素材の開発を行い、化粧品メーカー向けに化粧品原料を販売していく予定です。

 なお、本件について、当期の当社連結及び単体の業績に与える影響は軽微であります。

【一丸ファルコスの概要】
会社名:  一丸ファルコス株式会社
代表者:  安藤芳彦(代表取締役社長)
所在地:  岐阜県本巣市浅木318番地1
資本金:  9,738万円
従業員数: 130名(平成20年3月20日現在)
設立:    1959年8月30日
事業概要: 化粧品原料、健康食品原料及び医薬部外品原料の研究開発、製造、販売並びに輸出入



タカラバイオグループ中期経営計画を策定 ( 2008/5/13 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)では、2008年4月から2011年3月末までのタカラバイオグループの中期経営計画を策定しました。
 当社は、当社の基幹技術であるバイオテクノロジーを活用し、安定収益基盤である「遺伝子工学研究分野」、第2の収益事業化を目指す「医食品バイオ分野」、成長基盤である「遺伝子医療分野」の3つの事業分野において、事業を推進してまいりました。
 本中期経営計画では、米国クロンテック社との研究開発・製造・販売のあらゆる領域におけるシナジー効果等により「遺伝子工学研究分野」の事業の拡大・安定化を図り、販売提携などによる「医食品バイオ分野」の収益改善を進め、「遺伝子医療分野」における研究開発をさらに積極的に推進する計画です。

1.業績目標
 *関連資料参照

2.事業分野別施策

 「遺伝子工学研究」、「遺伝子医療」、「医食品バイオ」の3つの事業分野に照準を合わせ、継続的に黒字を計上する一方で、事業構造の改革を進め、成長基盤の構築を目指すため、以下に掲げる事業を展開していきます。定量目標としては、2011年3月期のタカラバイオグループ連結売上高224億円の達成および研究開発費の増加を吸収して経常利益12億円への利益拡大を目指します。

(1)遺伝子工学研究分野
 大学や企業などのバイオ研究者向けに研究用試薬・理化学機器の販売や研究受託サービスを行う当分野は、現在、当社の収益基盤であるコアビジネスとして位置づけていますが、さらなる強化を図るため、次のような事業展開を積極的に進めます。
 ・当社およびクロンテック社の研究開発力の相乗効果と効率化
 ・クロンテック社製品の宝生物工程(大連)有限公司への製造移管による価格競争力の強化及び全世界のロジスティクスシステム・販売網の再構築
 ・リアルタイムPCR分野における新製品開発・売上拡大

(2)遺伝子医療分野
 遺伝子医療・細胞医療の商業化を目指し、臨床開発を推し進めるため、次のような事業展開を積極的に進めます。
【遺伝子治療】
 ・国立がんセンターとの白血病を対象とした体外遺伝子治療の臨床開発の推進
 ・三重大学大学院医学系研究科との食道がんを対象としたT細胞受容体(TCR)遺伝子治療の臨床開発の推進
 ・RNA分解酵素MazFを利用したがんとエイズ遺伝子治療法の開発
 ・レトロネクチン法の全世界的ライセンスアウト展開
【細胞医療】
 ・中国医学科学院がん病院との腎がんを対象としたレトロネクチン拡大培養法によるがん細胞免疫療法の臨床開発の推進
 ・中国天津医科大学とのレトロネクチン拡大培養法を用いたがん細胞免疫療法の臨床開発の推進
 ・三重大学大学院医学系研究科との難治性がんを対象とするレトロネクチン拡大培養法を用いたがん免疫再建療法の臨床開発の推進
 ・韓国グリーンクロス社とのがん細胞免疫療法の臨床開発の推進

(3)医食品バイオ分野
 機能性食品素材の開発を中心とした健康志向食品やキノコに関する次のような事業展開を積極的に進めます。
 ・昆布フコイダン、寒天オリゴ糖、明日葉カルコン、きのこテルペンなどの機能性成分を応用した健康志向食品の、宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)との連携による売上拡大
 ・ヤムイモ由来抗疲労作用成分やボタンボウフウ由来抗動脈硬化予防作用成分などを応用した新規健康志向食品の開発
 ・マツタケゲノムなどを活用した高付加価値キノコの新規栽培法の確立
 ・ブナシメジ、ハタケシメジ、ホンシメジ事業の拡大

(当資料取り扱い上の注意点)
 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。

<参考資料>

【語句説明】

●リアルタイムPCR法
 従来のPCR法は、サーマルサイクラーという機器で目的DNAを増幅した後、増幅産物を電気泳動で解析するという手順で行われています。リアルタイムPCR法では、サーマルサイクラーと分光蛍光光度計を一体化した機器を用いて、PCRでのDNA増幅産物の生成過程をリアルタイム(実時間)で検出し、解析できます。DNA増幅産物の生成の過程を連続して観察できるため、より正確な定量が可能となります。また電気泳動を行う必要がないため、解析時間の大幅な短縮が可能となります。

●T細胞
 抗体産生の調節と標的細胞の障害の役割を担う重要な細胞で、Tリンパ球とも呼ばれます。免疫系の司令塔的な役割を担っており、末梢リンパ組織の胸腺依存領域に主に分布します。

●T細胞受容体(TCR)
 T細胞に発現される糖タンパク質で、T細胞が抗原を認識する受容体です。

●RNA分解酵素
 ニュージャージー医科歯科大学 井上正順教授は、大腸菌由来のタンパク質であるMazFやPemKが、mRNAの特定の配列を特異的に認識して切断することを発見しました。当社はこれらの酵素をRNA分解酵素と呼んでいます。
 RNA分解酵素を用いれば、生産したい目的のタンパク質のみを大量に生産することが可能です。また、RNA分解酵素MazF遺伝子を用いたエイズ遺伝子治療の開発を進めています。

●レトロネクチン(R)
 レトロネクチン(R)は、ヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。当社はレトロネクチン(R)に関する日本を含む世界各国における物質特許を保有しています。本タンパク質を用いたレトロウイルスによる遺伝子導入法は、レトロネクチン法として知られており、いまやレトロウイルスによる遺伝子治療の臨床研究のスタンダードとなっています。そして、当社はレトロネクチン(R)の新たな機能として、Tリンパ球の培養を増強する効果を発見し、これががん細胞免疫療法に利用できることを示してきました。

●ボタンボウフウ
 ボタンボウフウ(牡丹防風)は日本では本州以西から沖縄までの海岸沿いに生育するセリ科の植物で、学名をPeucedanum japonicumといいます。沖縄では別名、長命草やサクナと呼ばれます。葉を和え物や天ぷらなどとして食用にするので食用防風の名があります。



大阪府立大学と扶桑薬品工業の 産学連携で食中毒菌(カンピロバクター)の迅速検出法を開発 −タカラバイオ社から検査キットを全世界に向けて近日発売− ( 2008/5/8 )
 扶桑薬品工業株式会社(社長:戸田幹雄)と公立大学法人大阪府立大学(学長:南努)とは、産学共同で開発したカンピロバクター属菌の3菌種を特異的かつ迅速に検出・同定するための技術をタカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)に実施許諾しましたので、お知らせいたします。タカラバイオ社は、当該技術を用いたカンピロバクター属菌の検出・同定試薬キットを5月20日より国内発売を開始し、さらに全世界で独占的に製造販売する計画であります。

 近年、カンピロバクターによる食中毒の発生件数とその患者数が増加傾向にあり、主要な食中毒原因菌のひとつとして注目されております。下痢症患者から分離されるカンピロバクター属菌は約90%がCampylobacter jejuni (C. jejuni)、数%がCampylobacter coli (C. coli)です。この他に下痢等の腸炎症状だけではなく敗血症や髄膜炎などの重篤な症状を引き起こすCampylobacter fetus(C. fetus)も臨床的に問題となっております。現在、カンピロバクターの菌種同定には、培養検査が用いられておりますが、本菌が微好気性であること、菌種によっては異なる温度での培養が必要であることに加え、分離、同定までを含めると7〜10日という長い期間を要するうえ、生化学的性状を調べるだけでは同定が困難な菌株があることなどから、迅速な検出・同定方法が希求されていました。

 そこで当社では上記の問題を解決すべく、カンピロバクターの保有する細胞膨化致死毒素遺伝子(Cytolethal Distending Toxin:cdt gene)に着目し、公立大学法人大阪府立大学大学院生命環境科学研究科の獣医学専攻獣医国際防疫学教室の山崎伸二教授との産学連携によりcdt geneの学術的研究を進めるとともに、cdt geneを利用したカンピロバクターの検出技術を確立しました。今回、このカンピロバクター検出技術をタカラバイオ社に実施許諾(ライセンス供与)し、同社は当該技術を用いたカンピロバクター属菌の検出・同定試薬キットを5月の国内発売に続き近日中に全世界で独占的に製造販売することになりました(製品名「Campylobacter (cdt gene) PCR Detection and Typing Kit」)。

 本試薬キットはPCR法を使用し、cdt geneのcdtB gene及びcdtC gene を標的遺伝子としてC. jejuni、C. coli、C. fetusの3菌種を迅速に検出・同定する世界初の試薬です。本試薬を使用すれば同定培養試験を行うことなく、食品や環境由来の検体から増菌培養を行った後、PCR法によるDNAの増幅によって約3時間という極めて短時間で検出・同定までを行うことができます。本菌によるアウトブレイク(集団事例)発生時の感染源の特定や食品等の製造工程管理、工場衛生管理などにおいて極めて有用性が高く、欧米先進国でも重要な食中毒原因菌と位置づけられていることから、我が国のみならず欧米先進国での市場性が高いものと期待されています。



PCR法により、迅速にカンピロバクターを検出・同定する試薬を発売 ( 2008/5/8 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤 郁之進)は、PCR法を用いて、カンピロバクター属菌の3菌種を特異的かつ迅速に検出・同定する試薬「Campylobacter (cdt gene) PCR Detection and Typing Kit」を5月20日より発売します。本製品は、当社が、扶桑薬品工業株式会社及び公立大学法人大阪府立大学よりライセンスを受け、全世界で独占的に製造販売します。

 カンピロバクターが原因である食中毒の発生件数は近年増加の傾向にあり、主要な食中毒原因菌の一つとして注目されています。カンピロバクターが引き起こす主たる症状は腸炎ですが、その原因菌の約90%がCampylobacter jejuni(以下C. jejuni)であり、数%がCampylobacter coli(以下C. coli)と言われています。また、敗血症や髄膜炎などの検査材料からはCampylobacter fetus(以下C. fetus)が分離されており、これらの症状の原因菌の一つと考えられています。このように菌種によって症状が異なることから、菌の検出と合わせて菌種の同定も非常に重要とされています。現在、カンピロバクターの検出・同定は培養法によって行われていますが、前培養で最低2日かかり、さらに数日間の菌種同定培養試験が必要なため、カンピロバクターの確実な菌種同定には1週間程度かかり、PCR法等の遺伝子検出技術を応用した迅速な検出・同定法が待ち望まれていました。

 本試薬はPCR法を使用し、細胞膨化致死毒遺伝子(Cytolethal distending toxin gene;略称cdt gene)のcdtB gene, cdtC geneを標的遺伝子としてC. jejuni、C. coli、C. fetus の3菌種を迅速に検出・同定する世界初の試薬です。本試薬を使用すれば菌種同定培養試験を行うことなく、食品や環境由来の検体から前培養後、PCR法によるDNAの増幅によって約3時間で検出・同定までを行うことができます。
 弊社では既に食品・環境分野向けの製品として、ベロ毒素タイピングPCR試薬などを発売しており、さらに同定試薬のラインアップを充実させることで、食中毒の予防と対策に貢献できるものと期待しています。

【製品概要】
製品名: Campylobacter (cdt gene) PCR Detection and Typing Kit
コード:  RR134A
容量:   100回(50検体)
価格:   89,250円(税込)



レトロネクチン(R)で活性化した免疫細胞を用いる、 がん細胞免疫療法の臨床研究を、 中国・天津医科大学・天津市腫瘍病院で開始しました ( 2008/4/30 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と中国の天津医科大学・天津市腫瘍病院(学長・病院長:■希山【正式表記は関連資料参照】;Xi−Shan Hao、Tianjin Cancer Institute & Hospital, Tianjin Medical University)は、当社が開発したレトロネクチン(R)で活性化したがん細胞免疫療法の臨床研究を本年1月から開始しておりましたが、このほど5名のがん患者(腎臓がん2、甲状腺がん、肝臓がん、肺がん)で治療を実施し、非常に良好な途中経過が報告されました。レトロネクチン(R)で活性化された免疫細胞によるがん治療で良好な結果が見られたのは世界で初めてです。
 現在、4名の患者は活性化された免疫細胞の輸注を2サイクル終了し、1名の患者はすでに3サイクルの輸注を終了しています。5名全員で重大な副作用は認められず、病状が安定しています。なかでも肺がん患者の1名では、2サイクルの輸注を行った段階で、治療前と比較して腫瘍組織が約50%に縮小していることがCTスキャン検査によって示されました。なお、5名の患者に対して、1サイクルで、約4x1010(400億)個の活性化免疫細胞を4日間で2回に分けて輸注しました。
 この5名の患者に加えて、さらに15名のがん患者のエントリーを行い、合計20名の患者に対して、レトロネクチン(R)で活性化した免疫細胞による、がん細胞免疫療法の臨床研究を継続します。これらの結果の詳細は今秋開催される学会で発表する予定です。
 天津市腫瘍病院は伝統あるがん病院で、特に乳がんを中心にしたがん治療の中国での主要拠点の一つになっています。天津市腫瘍病院では、既にがん細胞免疫療法に関して10年近くの治療経験を有しています。

 日本でも、化学療法とがん細胞免疫療法を組み合わせた、免疫再建療法の臨床研究が、当社の協力のもと、三重大学医学部で開始されており、現在患者のエントリーが始まったところです。
 ホームページ: http://www.medic.mie-u.ac.jp/cancervac/index.html

 なお、レトロネクチン(R)拡大培養法を用いたがん細胞免疫療法はすでにアジアの3グループにライセンスするとともに、米国国立がん研究所のローゼンバーグ博士グループと共同研究を行っています。

1. 当社の産学官連携講座・三重大学医学部(珠玖洋教授グループ):
 食道がん、頭頚部がん、卵巣がん、骨髄腫等の難治性のがんを対象として、レトロネクチン(R)拡大培養法を用いた「がん免疫再建療法」の臨床研究の患者のエントリーを始めています。

2.中国医学科学院がん病院(北京市、病院長:趙平、Dr. Zhao Ping):
 腎がんを対象としたレトロネクチン(R)拡大培養法を用いたがん細胞免疫療法の臨床開発を共同で進めています。すでに、この中国医学科学院がん病院内に、当社が細胞加工処理施設を開設し、現在がん細胞免疫療法の臨床試験を申請中です。

3.韓国グリーンクロス社(Green Cross Corp.):
 韓国においてレトロネクチン(R)拡大培養法を、がん細胞免疫療法の臨床開発に独占的に使用することを許諾しており、同社が韓国内でがん細胞免疫療法の臨床開発を進めています。

当資料取り扱い上の注意点
 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。

<この件に関するお問い合わせ先>
タカラバイオ株式会社
バイオインダストリー部
Tel 077−543−7235

<参考資料> 【語句説明】
・レトロネクチン(R)
 レトロネクチン(R)は、ヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。当社はレトロネクチン(R)に関する日本を含む世界各国における物質特許を保有しています。本タンパク質を用いたレトロウイルスによる遺伝子導入法は、レトロネクチン法として知られており、いまやレトロウイルスによる遺伝子治療の臨床研究のスタンダードとなっています。そして、当社はレトロネクチン(R)の新たな機能として、Tリンパ球の培養を増強する効果を発見し、これががん細胞免疫療法に利用できることを示してきました。

http://www.medic.mie-u.ac.jp/cancervac/index.html


天然素材・フコイダンを有効成分とする育毛料の特許が 欧州特許庁より許可されました ※ニュースリリースを原文のまま紹介しています。 ( 2008/4/7 )
 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、欧州特許庁に出願していたフコイダンを有効成分とする育毛料に関する特許について、2008年1月29日付で特許許可通知を受けました。これを受けて、ヨーロッパ各国(フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、スペイン、スイス)への移行手続きを行います。同様の特許は、台湾(TW I255192)、韓国(KR 0594342)、日本(特許第3831252号)の各国でそれぞれ既に登録済みです。現在、アメリカ、中国にも特許出願中であり、近い将来フコイダンを含有する育毛料の特許が世界の主要国をカバーすることが期待されます。

 フコイダンはコンブ、ワカメ、モズクなどの褐藻類由来の硫酸化L−フコースを主成分とする鎖状高分子で形成される食物繊維の一つです。当社は、1995年にフコイダンの化学構造を世界で初めて解明して以来、フコイダンに関する研究を化学構造と生理活性の両面から続けています。1999年に、当社はフコイダンに育毛作用があることを見出しました。フコイダン溶液を皮膚に塗布するとHGF等の成長因子の産生が誘導される結果、育毛が促進されるものと考えられます。その作用はガゴメ昆布由来のF−フコイダンで強く、育毛作用を示す化学構造の最小単位は7つのフコースに12の硫酸基が結合した物質であること等をも明らかにし、2000年に関連特許を出願していました。
 
 当社は国内産のガゴメコンブを原料として独自の技術で抽出したF−フコイダンを含有する「TaKaRa海藻エキス」をバルク販売しております。これは上記の育毛料の原料に相当します。当社が開発・製造したフコイダン配合の基礎化粧品類はケイマリインターナショナル株式会社で販売されています。今後上記の特許を武器に「TaKaRa海藻エキス」の世界的な販売を強化します。



米国カパ・バイオシステムズ社にLA−PCR法のライセンスを供与 ( 2007/10/2 )
 タカラバイオと、米国カパ・バイオシステムズ社(Kapa Biosystems, Inc. マサチューセッツ州)は、タカラバイオが保有するLA−PCR技術に関する特許の全世界における非独占的実施権をカパ・バイオシステムズ社に供与するライセンス契約を締結した。カパ・バイオシステムズ社は、タカラバイオがLA−PCRの実施権を供与した世界で第21番目の企業。この特許は米国で2013年2月まで、日本と欧州諸国では2014年2月まで有効。
 LA−PCR法は、遺伝子工学の基幹技術であるPCR法の能力を向上させた技術。従来のPCR法では1万塩基をこえるDNAの増幅は困難だったが、LA−PCR法により数万塩基の長鎖DNAを増幅することができるようになった。



ガゴメ昆布フコイダンの経口投与による抗腫瘍作用は ナチュラル・キラー細胞の活性化によって発揮されることを発見 ( 2007/10/1 )
 タカラバイオのバイオ研究所は、ガゴメ昆布フコイダンが示す抗腫瘍作用がナチュラル・キラー細胞の活性化によって発揮されることを見出した。
 フコイダンは褐藻類由来の食物繊維の一つ。同社は、1995年にフコイダンの化学構造を世界で初めて解明して以来、フコイダンに関する研究を化学構造と生理活性の両面から行っている。
 今回、モノクローナル抗体を用いた動物実験によって、ガゴメ昆布フコイダンの抗腫瘍作用にはナチュラル・キラー細胞(NK細胞)の活性化が深く関与していることを明らかにした。
 あらかじめ癌細胞(Sarcoma−180)を皮下移植しておいたマウスに、ガゴメ昆布フコイダン(平均分子量:約20万)を、約5週間経口投与すると、ガゴメ昆布フコイダンを投与された群は非投与群と比べて腫瘍の増殖が約3分の1に抑制された。この実験系において、NK細胞に特異的に反応するモノクローナル抗体をマウスに投与してNK細胞の働きを抑制すると、ガゴメ昆布フコイダンの抗腫瘍作用は、全く認められなくなった。また、NK細胞の増殖や活性化に関与している因子の一つであるインターフェロン−γに反応するモノクローナル抗体をマウスに投与した場合も、フコイダンの抗腫瘍作用は同様に消失した。
 さらに、健常マウスの免疫細胞を、ガゴメ昆布フコイダンを添加した培地中で3日間培養すると、NK活性が増強されることを確認。これらの結果により、ガゴメ昆布フコイダンを経口投与した際に、フコイダンが腸管内で直接あるいは間接的に免疫細胞に働き、NK活性を高めることにより、抗腫瘍作用を発揮することが示唆された。



新しいTリンパ球培養法を用いたがん免疫療法: 韓国における独占的実施権を韓国グリーンクロス社に供与 ( 2007/9/10 )
 タカラバイオと韓国グリーンクロス社(Green Cross Corp.)は、タカラバイオが開発した新しいTリンパ球培養法によるがん免疫療法を韓国内で臨床開発に独占的に用いることを許諾するライセンス契約を締結した。なおレトロネクチン(R)を用いたTリンパ球の拡大培養法をライセンスアウトするのは初めて。
 従来の活性化リンパ球療法では、がん患者の血液中に含まれるTリンパ球を抗CD3モノクローナル抗体で活性化したあと、インターロイキン2と呼ばれるサイトカインを添加した培地で約2週間培養し、Tリンパ球の数を増やして、再び患者の体内に戻す。
 最近の研究結果では、Tリンパ球の数を増やせば増やすほど、増幅されたTリンパ球は分化が進み、体内で腫瘍に対する攻撃能力が低下していることが明らかになった。
 タカラバイオのバイオ研究所が開発したものは、レトロネクチン(R)と抗CD3モノクローナル抗体の二種類のタンパク質によって刺激を与える方法。Tリンパ球の拡大培養時にレトロネクチン(R)を併用することによってTリンパ球の数を増やすだけでなく、体内での腫瘍に対する攻撃能力も増大することが期待できるという。



鹿児島県屋久島産のセリ科植物ボタンボウフウに 動脈硬化の初期病変を抑制する働きがあることを発見 ( 2007/9/6 )
 タカラバイオのバイオ研究所は、鹿児島県屋久島産ボタンボウフウに動脈硬化の初期病変を抑制する働きがあることを見出した。
 ボタンボウフウ(学名:Peucedanum japonicum)は日本では本州以西から沖縄までの海岸沿いに生育するセリ科の植物。沖縄では「長命草」もしくは「サクナ」と呼ばれる。
 動脈硬化の初期病変として、血管内膜でマクロファージが酸化LDL(低密度リポタンパク質)を取り込み、細胞内にコレステロールエステルを蓄積する泡沫化と呼ばれる現象が起こる。この結果、血管内膜の厚みが増し、血管が狭くなり血栓形成の原因を惹き起こす。マウス由来のマクロファージ様培養細胞株に変性LDLを添加し、泡沫化によって細胞内に蓄積されるコレステロールエステル量を評価したところ、屋久島産ボタンボウフウのエタノール抽出物の添加により泡沫化が抑えられたという。活性画分を分析した結果、クマリン化合物のひとつである「イソサミジン」と呼ばれる化合物が主成分であり、泡沫化を促進するACATと呼ばれる酵素の活性を抑制することがわかった。



白血病に対する遺伝子治療用医薬品の指針への適合を確認 ( 2007/9/6 )
 タカラバイオは、自殺遺伝子HSV−TKを利用した白血病の遺伝子治療の臨床試験を国内で開始すべく、当局に対し確認申請を行ってきた。9月5日に開催された薬事・食品衛生審議会 生物由来技術部会において、指針に適合することが確認された。体外遺伝子導入用の遺伝子治療用医薬品について指針適合が確認されたこと、及び治験におけるカルタヘナ法に基づく第一種使用の承認は今回が初めてになる。
 HSV−TK遺伝子はレトロウイルスベクターを用いて、同種造血幹細胞移植のドナー由来のリンパ球に体外で遺伝子導入され、このHSV−TK遺伝子導入細胞を患者に投与。もしGVHDが発症した場合、ガンシクロビルという医薬品を投与してHSV−TKが持つ自殺機能を発揮させ、GVHDの原因であるドナーリンパ球を細胞死させることにより、GVHDが沈静化される。



非常に高い正確性と共に、優れた伸長性を併せ持つPCR酵素を新発売 ( 2007/9/5 )
 タカラバイオは、遺伝子工学研究分野において最も重要なツールの一つであるPCR酵素の新製品、PrimeSTAR(R) GXL DNA Polymeraseを発売した。
 タカラバイオはPCR用酵素、PrimeSTAR(R)シリーズとして、PrimeSTAR(R) HS DNA PolymeraseとPrimeSTAR(R) Max DNA Polymeraseをすでに発売している。このたびPCRパフォーマンスを飛躍的に向上させた、画期的なHigh Fidelity PCR酵素PrimeSTAR(R) GXL DNA Polymeraseを発売した。
 PrimeSTAR(R) GXL DNA Polymeraseは、従来のPrimeSTAR(R) HS DNA Polymeraseを遺伝子工学的に改良し、さらに独自の伸長因子を組み合わせることでに高い正確性を維持しながら、これまでのHigh Fidelity PCR酵素では見られない優れた伸長性を有し、30 kb(3万塩基)以上の長鎖DNAの増幅が可能となったという。



米国子会社クロンテック社の蛍光タンパク質シリーズを新発売 ( 2007/8/27 )
 タカラバイオは、米国子会社Clontech Laboratories, Inc.の新製品であるサンゴ由来の新しい蛍光タンパク質製品6種類(フルーツ蛍光タンパク質シリーズ)の国内販売を開始。



国ケンプ・バイオテクノロジーズ社にLA−PCR法のライセンスを供与 ( 2007/7/19 )
 タカラバイオと、米国ケンプ・バイオテクノロジーズ社は、当社が保有するLA−PCR技術に関する特許の全世界における非独占的実施権をケンプ社に供与するライセンス契約を、2007年7月17日付で締結した。ケンプ社は、当社がLA−PCRの実施権を供与した世界で第20番目の企業。なおこの特許は米国で2013年2月まで、日本と欧州諸国では2014年2月まで有効である。
 本契約の締結によりケンプ社は全世界においてLA−PCR法を利用する製品を製造・販売することができる。また、本契約に伴い、当社はケンプ社より契約一時金及びライセンス対象製品の売上げに応じたランニングロイヤリティーを受け取る。
 LA−PCR法は、遺伝子工学の基幹技術であるPCR法の能力を飛躍的に向上させた画期的な技術で、「長く正確なポリメラーゼ連鎖反応(Long and Accurate Polymerase Chain Reaction)」を意味する。従来のPCR法では1万塩基をこえるDNAの増幅は困難だったが、LA−PCR法により数万塩基の長鎖DNAを安定して正確に増幅することができるようになった。LA−PCR技術がPCR法の欠点を補完し、ゲノム解析や長鎖フラグメントのクローニングおよび変異導入等のPCR法の応用分野をさらに拡大した。



RNA分解酵素を用いたエイズ遺伝子治療法の有効性をサルの生体試験に移行 ( 2007/7/17 )
 タカラバイオの細胞・遺伝子治療センターは、当社が開発したRNA分解酵素(MazF)を含有するレトロウイルスベクターを用いたエイズ遺伝子治療法の評価を、アカゲザルの細胞を用いて行ってきたが、このほどサルのエイズウイルス(SHIV)に対する有効性が細胞レベルで確認できたので、サルの生体を用いた評価試験を開始することになった。  エイズウイルス感染によってはじめてRNA分解酵素(MazF)を発現するように遺伝子構築されたヒトT細胞株と、エイズウイルス産生細胞とを共存させて培養すると、エイズウイルスの複製が効果的に抑制され、エイズ産生細胞は減少していくことがこれまでの試験管内での研究で明らかとなり、これらの研究成果は米国シアトルで開催された第10回米国遺伝子治療学会などで発表している。  中国疾病予防管理センターより提供されたアカゲザル末梢血から採取したCD4陽性T細胞に、エイズウイルスの感染によってMazFを造りだせるように構築した遺伝子ユニットを、レトロウイルスベクターを用いて導入し、サルのエイズウイルス(SHIV)を感染させる実験を行った。その結果、MazFが導入されていないT細胞ではSHIVが7日間で約100倍に増えたのに対し、MazFが導入されたT細胞ではSHIVは全く増えなかった。
◆ エイズウイルス(HIV)  後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルス。HIVはレトロウイルス科レンチウイルス属に属する。HIVは変異しやすいウイルスのため、ワクチンや抗HIV剤の開発を阻んでいる。HIVがT細胞などに直接感染することにより、あるいは感染細胞が非感染細胞に融合することにより、体内に広がる。  HIVは血清学的・遺伝学的性状の異なるHIV−1とHIV−2に大別される。HIV−1は、世界流行の主体となっており、全世界に分布していますが、HIV−2は主に西アフリカ地域に限局している。これは、HIV−2がHIV−1と比較して感染性や病原性が低いためと考えられている。



2010年3月末までのグループ中期経営計画を策定 ( 2007/5/15 )
 タカラバイオでは、例年のとおり、2007年4月から2010年3月末までのタカラバイオグループの中期経営計画を策定した。
 本中期経営計画では、米国クロンテック社(2005年9月に買収)との研究開発・製造・販売等のあらゆる領域におけるシナジー効果の創出を中心として「遺伝子工学研究分野」の事業拡大を図り、販売提携などによる「医食品バイオ分野」の収益改善を進め、「遺伝子医療分野」における研究開発をさらに積極的に推進する計画である。
 詳細は下記URLからご覧いただける。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2007/05/15-3.htm


三重大学医学部と「がん免疫再建療法」の臨床研究開発を共同で開始 ( 2007/5/14 )
 タカラバイオと三重大学大学院医学系研究科 遺伝子・免疫細胞治療学講座 珠玖洋教授のグループは、すでに食道がんを対象としたTCR遺伝子治療の研究開発をおこなっているが、今回、骨髄腫、食道がん、頭頚部がん、卵巣がん等の難治性のがんを対象として、当社が開発したレトロネクチン(R)によるリンパ球の拡大培養法を用いた「がん免疫再建療法」の臨床研究を行うための共同開発契約を、平成19年5月14日付けで締結した。



紀州産の青梅を使用した飲料を発売 ( 2007/5/11 )
 タカラバイオは、本場紀州産の青梅を使用した「梅肉エキス入り濃縮飲料」を平成19年5月21日(月)より新発売する。希望小売価格は、1本(720ml)で、5,250円(本体価格5,000円)。
 「梅肉エキス」は古来より利用されている健康食品で、青梅の果肉だけをすりおろし、長時間煮詰めてつくる梅の濃縮エキスで、1kgの青梅からわずか20gほどしか作れない貴重品である。
 本製品は、本場紀州の厳選された青梅を丹精込めて抽出・濃縮した梅肉エキスとりんご果汁が原料で、自然素材の味わいを生かした、ほどよい酸味が特長である。1本(720ml)に青梅約180個分のエキス入りで、クエン酸など有機酸をはじめ、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどの成分が含まれている。また、食塩、保存料、甘味料無添加と、毎日の健康維持に安心してお飲みいただける品質に仕上げた。

【製品概要】  製品名:「梅肉エキス入り濃縮飲料」  
         種類 :梅肉エキス入り濃縮飲料  
         容量/容器 :720ml/ガラス壜(化粧箱入り)  
         希望小売価格:5,250円(税込)  
         販売地域:全国(店頭販売のみ)



ヤムイモの一種に抗疲労作用を発見 ( 2007/5/10 )
 タカラバイオのバイオ研究所は、沖縄で栽培されているヤムイモの一種であるトゲドコロ(Dioscorea esculenta)に抗疲労作用があることを発見した。なおヤムイモの他品種(ジネンジョ:自然薯など)では、このような抗疲労作用は認められなかった。これらの成果を、京都市で開催される第61回日本栄養・食糧学会大会で5月20日に発表する。 
 ヤムイモには滋養強壮作用があることが伝承されているが、トゲドコロの抗疲労作用については明らかにされていなかった。当社バイオ研究所では、マウスを用いた実験で、予めトゲドコロを餌に混ぜて(1%)投与しておくと、投与しなかったマウスに比べて、強制的・水泳運動時間が約1.2倍に長くなることを確認した。さらに分画を進めたものを投与すると、この水泳運動時間が1.3倍を超えた。一方、同じヤムイモの一種であるジネンジョ(Dioscorea japonica)を投与した場合には、このような作用は見られなかった。当社バイオ研究所では、引き続きどの成分がトゲドコロの抗疲労作用に関与しているかについて研究を重ねていく。



寒天オリゴ糖の体内を綺麗にする作用を発見 ( 2007/5/9 )
 タカラバイオ(株)バイオ研究所は、寒天を酸分解することで得られるアガロオリゴ糖(寒天オリゴ糖)に、体内の有害物質を体外へ排出するために必要な解毒酵素群の細胞内発現を促進し、解毒作用を高める作用があることを、肝臓由来の培養細胞株を用いた実験で明らかにした。このような解毒作用は、寒天オリゴ糖以外の他のオリゴ糖では全くみとめられなかった。
 寒天オリゴ糖は、寒天を酸分解することで得られる少糖である。寒天をレモン果汁などと加熱すると、固まりにくくなることがよく知られているが、これは寒天の主成分であるアガロース中の3,6−アンハイドロガラクトースとガラクトースの間の化学結合が酸によって切断され、寒天が低分子化されるために起こる現象である。寒天の酸分解によって生成する、ガラクトースと3,6−アンハイドロガラクトースが交互に繋がった2糖〜8糖のオリゴ糖を寒天オリゴ糖と呼ぶ。当社バイオ研究所では、寒天オリゴ糖が酸化作用の強い一酸化窒素の産生を抑制する抗酸化作用や、寒天オリゴ糖を経口投与した動物実験で、関節炎抑制作用や発がん抑制作用などを有することを既に明らかにしている。
 今回は、寒天オリゴ糖を肝臓由来の培養細胞株に添加して培養後、解毒酵素であるグルタチオン S−トランスフェラーゼ(GST)、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)、キノンレダクターゼ(QR)の細胞内の活性を測定した。その結果、寒天オリゴ糖の添加によりGST、UGT、QRの酵素活性が、それぞれ1.8倍、1.4倍、2.4倍に高められることが明らかとなった。



米トランスジェノミック社にLA−PCR法のライセンスを供与 ( 2007/5/7 )
 タカラバイオと、米国トランスジェノミック社は、当社が保有するLA−PCR技術に関する特許の全世界における非独占的実施権をトランスジェノミック社に供与するライセンス契約を、2007年5月7日付で締結した。トランスジェノミック社は、当社がLA−PCRの実施権を供与した世界で第19番目の企業。なおこの特許は米国で2013年2月まで、日本と欧州諸国では2014年2月まで有効である。
 本契約の締結によりトランスジェノミック社は全世界においてLA−PCR法を利用する製品を製造・販売することができる。また、本契約に伴い、当社はトランスジェノミック社より契約一時金及びライセンス対象製品の売上げに応じたランニングロイヤリティーを受け取る。
 LA−PCR法は、遺伝子工学の基幹技術であるPCR法の能力を飛躍的に向上させた画期的な技術で、「長く正確なポリメラーゼ連鎖反応(Long and Accurate Polymerase Chain Reaction)」を意味する。従来のPCR法では1万塩基をこえるDNAの増幅は困難だったが、LA−PCR法により数万塩基の長鎖DNAを安定して正確に増幅することができるようになった。LA−PCR技術がPCR法の欠点を補完し、ゲノム解析や長鎖フラグメントのクローニングおよび変異導入等のPCR法の応用分野をさらに拡大した。



エイズの感染細胞の淘汰治療 ( 2007/4/23 )
 タカラバイオの細胞・遺伝子治療センターでは、昨年、エイズウイルス依存的にRNA分解酵素(MazF)を発現できるように遺伝子構築されたヒトT細胞にエイズウイルスを感染させても、エイズウイルスのRNAがRNA分解酵素の作用で破壊されるため、エイズウイルスが感染細胞から生産されないことを見出している。  その後、エイズ患者の治療を想定して、既にエイズウイルスに感染してエイズウイルスを細胞外に慢性的に産生し続けている細胞株(CH−1)とエイズウイルス感染によってはじめてRNA分解酵素を発現するように遺伝子構築されたヒトT細胞株とを共存させて培養を続けると、CH−1は淘汰され、ヒトT細胞株に対する存在比率が減少した。しかし、RNA分解酵素を発現できないヒトT細胞とCH−1とを共存させるとCH−1細胞は減少しなかった。つまり、RNA分解酵素(MazF)がエイズウイルスの感染によって発現できるT細胞は、エイズの治療効果をも示すことが明らかとなった。



耐熱性逆転写酵素に関する特許の非独占的実施権を供与 ( 2007/3/22 )
 タカラバイオは、米国シグマアルドリッチ社(以下「シグマ社」)に、耐熱性逆転写酵素に関する特許の全世界における非独占的実施権を供与する契約を、2007年3月22日付で締結した。これにより、シグマ社は研究用試薬分野において本耐熱性逆転写酵素を含む製品を全世界で製造・販売することができる。本ライセンス供与に伴い、当社はシグマ社より契約一時金及びライセンス対象製品の売上に応じたランニングロイヤリティーを受け取る。
 逆転写酵素は一本鎖RNAを鋳型としてDNAを合成する酵素で、cDNAライブラリー作製、リアルタイムPCRやDNAマイクロアレイ解析などの、広範な分子生物学研究において必要不可欠な酵素。



「活性型オステオカルシン」をブタ煮骨から抽出に成功 ( 2007/3/7 )
 タカラバイオのバイオ研究所は、ブタの煮骨から、骨の形成に必須なたんぱく質「活性型オステオカルシン」(分子量、約6,000)を含有する抽出物の、食品加工技術を用いた製造方法を世界で初めて開発した。この抽出物は「活性型オステオカルシン」のみならずブタの骨由来のコラーゲンを主成分とするタンパク質群を豊富に含んでおり、骨の健康のみならず美容に役に立つ健康食品として商品化していく。また機能性食品素材としても、大量生産し、市場に供給していく予定。



米社と抗生物質オーレオバシジンAのライセンス契約 ( 2007/1/29 )
 タカラバイオは、米国オーレオジェン社に、当社が保有する抗真菌性抗生物質オーレオバシジンAに関する特許の全世界における非独占的実施権を与えるライセンス契約を、2007年1月29日付けで締結した。
 オーレオバシジンAは酵母の一種であるAureobasidium pullulans No. R106株が産生する抗真菌性物質で、1989年に当社が新規抗生物質として発見したもの。当社は、オーレオバシジンAの生産菌であるR106株、オーレオバシジンA、その類縁化合物、並びにそれらの製造方法に関する一連の特許を保持している。供与する特許には、主要関連化合物群の特許などが含まれ、2014年12月まで有効。
 オーレオジェン社は、オーレオバシジンAのような環状ペプチド構造をもつ抗生物質の生合成遺伝子系を遺伝子工学的手法によって改変し、新規の抗生物質を創製することを目的として2003年に創設されたベンチャー企業。

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体外診断用医薬品『結核菌群DNA検出試薬「タカラ」』の製造承認を取得 ( 2007/1/22 )
 タカラバイオは、当社が独自で開発した等温遺伝子増幅法(ICAN法:アイキャン法)を用いて、結核菌群特有のDNAを検出する体外診断用医薬品『結核菌群DNA検出試薬「タカラ」』の製造承認を本年1月11日付けで、厚生労働省より取得した。この検出試薬の測定時間は2時間、喀痰採取から結果報告まで3.5時間で結核菌を高感度に検出できる。ICAN法による診断薬の承認の第1号となる。なお、当社は日本、米国、欧州、中国などを含む9カ国でICAN法の特許を保有している。
 結核は世界中で深刻な状況となっており、日本では毎年3万人弱の新規患者が発生し、人口10万人あたりの結核罹患率は22.2(平成16年度)とスウェーデンの4.8倍、米国の4.5倍で、平成11年には結核緊急事態宣言が発表された。特に高齢者では、70から80歳代の罹患率が高いのが特徴で、老齢化時代を迎えて早期診断の必要性が指摘されている。
 本製品は、今後、薬事法などの必要な各種手続きを経て保険収載された後、発売の予定。

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屋久島ブランドの健康食品事業を本格展開 ( 2007/1/10 )
 タカラバイオは、鹿児島県上屋久町から屋久島の土地を購入し、南方原産の有用植物であるヤムイモや紫ウコンなどの屋久島ブランドの健康食品事業を本格展開する。
 当社では平成14年3月より、上屋久町から土地の提供を受け、約4年間農産物の栽培試験を行ってきており、明日葉については安定的に生産できるまでに実績を上げてきた。さらに南方原産のヤムイモの一種であるトゲドコロ、屋久島に自生する紫ウコン(ガジュツ)等の有用植物の試験栽培も進め、このほど本生産の目処がついたことから、昨年12月に屋久島の上屋久町内にある約49,451坪(16.3ha)の土地を、当社が上屋久町より購入し、本格的な自社栽培を開始した。現在健康食品として「紫ウコン」を販売しているが、今春にはトゲドコロを健康食品のサプリメントとして発売する予定。また今春には、さらに隣接地12,336坪(4.1ha)を当社子会社である(有)タカラバイオファーミングセンターが(有)屋久島デーリィファームから購入する予定。

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慢性肉芽腫症を対象とした遺伝子治療の臨床試験計画が韓国食品医薬品庁から承認を取得 ( 2007/1/9 )
 タカラバイオの関連会社であるバイロメッド社(ViroMed Co.Ltd.)は、本年1月3日に以下の趣旨の情報開示を行ったのでお知らせする。
 バイロメッド社は、慢性肉芽腫症を対象とした遺伝子治療剤VM106の臨床試験計画が、韓国食品医薬品庁(Korea Food & Drug Administration)から承認されたと発表した。
 慢性肉芽腫症は、先天性免疫不全症の一種で、活性酸素生産酵素であるNADPH酸化酵素の活性の低下により、好中球が細菌やカビを殺す活性酸素をつくることができず、重篤な微生物感染を繰り返す遺伝性疾患。
 VM106はレトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療剤で、治療用遺伝子である正常型gp91遺伝子を細胞に導入する。本臨床試験では、VM106により、患者から取り出した造血幹細胞にgp91遺伝子を導入し、遺伝子導入された造血幹細胞を患者に戻すことによって治療する。なお、本臨床試験では、当社がバイロメッド社にライセンス供与するレトロネクチン法が用いられる。

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LA−PCR技術の全世界における非独占的実施権を供与するライセンス契約 ( 2006/12/19 )
 タカラバイオと、米国ニューイングランド バイオラボ社(NEB社)は、当社が保有するLA−PCR技術に関する特許の全世界における非独占的実施権をNEB社に供与するライセンス契約を、2006年12月19日付で締結した。NEB社は、当社がLA−PCRの実施権を供与した世界で第18番目の企業。なおこの特許は米国で2013年2月まで、日本と欧州諸国では2014年2月まで有効。
 本契約の締結によりNEB社は全世界においてLA−PCR法を利用する製品を製造・販売することができる。また、本契約に伴い、当社はNEB社より契約一時金及びライセンス対象製品の売上げに応じたランニングロイヤリティーを受け取る。

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多発性骨髄腫の遺伝子治療臨床試験にレトロネクチンをライセンス供給 ( 2006/12/4 )
 タカラバイオは、オーストラリアのピーター・マッカラムがんセンターのプリンス(Miles Prince)教授らのグループが実施する多発性骨髄腫の遺伝子治療の第I相臨床試験に、当社が開発したレトロネクチン(R)をライセンス供給する。本臨床試験は、多発性骨髄腫患者6名に対して行われる予定。

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韓国で虚血性心疾患を対象とする遺伝子治療の臨床試験を開始 ( 2006/10/31 )
 バイロメッド社は、リヨン製薬株式会社と共同で開発している虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)を対象としたHGF遺伝子を用いた遺伝子治療剤VM202RYが韓国食品医薬品庁(Korea Food & Drug Administration)から臨床試験開始の承認を受けたことを発表した。
 バイロメッド社とリヨン製薬が共同で行う今回の臨床試験では、重症の虚血性心疾患で冠状動脈迂回手術(詰まった冠状動脈を他の血管を利用して迂回する手術)を受けなければならず、血管迂回手術が難しい部位のある患者を対象に遺伝子治療剤VM202RYを投与する。1次的には安全性を確認し、2次的には迂回血管を新たに形成して疾病部位を改善する治療効果を観察する。
 バイロメッド社の虚血性心疾患の遺伝子治療剤は、既に中国でも臨床試験を申請済みで、現在審査が行われており、グローバル市場を目指した臨床開発を進めている。

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韓国で遺伝子治療の臨床試験を開始 ( 2006/10/31 )
 タカラバイオの関連会社であるバイロメッド社は、本日以下の趣旨の情報開示を行った。
 バイロメッド社は、リヨン製薬と共同で開発している虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)を対象としたHGF遺伝子を用いた遺伝子治療剤VM202RYが韓国食品医薬品庁から臨床試験開始の承認を受けたことを発表した。今回の臨床試験は、ソウル大学病院の胸部外科のキム・キボン(KiBong Kim)教授の責任の下で進められる。

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明日葉の新規抗ウイルス物質「明日葉ディフェンシン」を発見 ( 2006/10/23 )
 タカラバイオのバイオ研究所では、明日葉組織培養物に新規な抗ウイルスペプチドである明日葉ディフェンシンの遺伝子が強く発現し、明日葉の茎(根元)や葉にも明日葉ディフェンシンが発現していることを発見した。これらの研究成果の詳細は、本年10月26日より大阪大学で開催される第1回食品薬学シンポジウムで発表する。

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虚血性脚部疾患を対象とした遺伝子治療の臨床試験の申請 ( 2006/10/20 )
 タカラバイオの関連会社であるバイロメッド社は、本日以下の主旨の情報開示を行った。
 バイロメッド社は、虚血性脚部疾患の遺伝子治療剤VM202について、米国FDA(Food and Drug Administration)への臨床試験の申請(Investigational New Drug Application; IND Application)が完了したことを発表した。

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米国での慢性リンパ性白血病の遺伝子治療に「レトロネクチン」を供給 ( 2006/9/6 )
 タカラバイオは、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのレイナー・ブレントジェンス博士らが実施する慢性リンパ性白血病の遺伝子治療の第I相臨床試験に、同社が開発したレトロネクチン(R)をライセンス供給する。
 慢性リンパ性白血病は主に成人の中年以降で発症し、末梢血、骨髄、リンパ節の中に成熟したリンパ球が異常に増加した状態となる白血病で、年間発症率は10万人に1〜3人、米国では毎年約7,000人が発症していると言われている。現行治療法は主に抗がん剤を用いた化学療法だが、慢性リンパ性白血病の原因はまだ明確にはされておらず、完全に治すことは難しいのが実情で、新たな治療法の開発が求められている。



ガゴメコンブのフコイダンがより強い抗腫瘍活性を有するなどと発表 ( 2006/8/17 )
 タカラバイオのバイオ研究所は、マウスに経口投与することによって、ガゴメコンブのフコイダンが、オキナワモズクやワカメメカブなどのフコイダンと比較して、より強い抗腫瘍活性を有することを見出した。この成果は9月28日より横浜で開催される第65回日本癌学会学術総会で発表する。
 フコイダンは褐藻類由来の食物繊維の一つだが、同社は、1984年頃よりフコイダンに関する研究を、化学構造と生理活性の両面からを行い、ガゴメコンブに最低3種類の異なったフコイダンが存在することを世界で初めて明らかにした。その結果、ガゴメコンブに含まれるフコイダンの化学構造は他の海藻由来のフコイダンとは異なり、生理活性においても大きな違いがあることが明らかになってきた。ガゴメコンブは、昔から愛用されているトロロコンブの原料でもある。
 同社が開発しているガゴメコンブ・フコイダン(平均分子量:約20万)を、あらかじめ、がん細胞(Sarcoma−180)を皮下移植したマウスに、約4週間、経口投与すると(投与量:約1.5g/体重1kg/日)、非投与群のコントロールと比べ腫瘍の増殖が抑制され、同様の条件で経口投与されたオキナワモズク・フコイダン、ワカメメカブフコイダンと比べ、その活性は、それぞれ約2.7倍、1.4倍強いものであることが明らかになった。これらの抗腫瘍活性に寄与しているのはガゴメコンブ・フコイダンの硫酸基含量の多さに基づくと考えられる。
 また癌を移植されたマウスの脾臓細胞のナチュラルキラー(NK)活性は、ガゴメコンブ・フコイダンを与えた場合、与えなかったマウスに比べてNK活性が増強された。これらの結果はガゴメコンブ・フコイダンの経口投与により、マウスの免疫系が活性化された結果、腫瘍の増殖が抑制されたものと考えられる。
●フコイダン
 コンブ、ワカメ、モズクなど、褐藻類に属する海藻のヌメリ成分の一つ。分子量20万をこえる巨大な多糖で、硫酸化L−フコースを構成成分とする硫酸化多糖の総称。



「がん免疫療法」でレトロネクチン併用によるがん細胞殺傷能力の上昇を発表 ( 2006/7/25 )
 タカラバイオのバイオ研究所では、「がん免疫療法」において行われる、ヒトリンパ球の拡大培養(リンパ球を増殖)の際に、インターロイキン2(IL−2)及び抗CD3モノクローナル抗体(抗CD3抗体)に加え、タカラバイオが開発したレトロネクチン(R)を併用することで、生存能力が高く、抗原認識能も高いナイーブT様細胞を約2倍多く含む細胞集団が得られることを確認した。また、これらの細胞から、がん細胞を特異的に殺傷することのできる細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導したところ、従来技術(抗CD3抗体とIL−2のみで刺激)により拡大培養した細胞を用いた場合と比べて、がん細胞に対する傷害活性が約2倍に上昇することを発見した。この成果は、2006年9月28日より開催される第65回日本癌学会総会で発表した。



雪国まいたけとの業務提携契約を締結 ( 2006/7/19 )
 タカラバイオは、雪国まいたけとの間でキノコ事業に関する業務提携契約を締結した。
 タカラバイオは、雪国まいたけにタカラバイオが保有する「ブナシメジ」菌株について平成14年にライセンスアウトを行い、雪国まいたけが「ブナシメジ」の製造販売を行っている。平成18年4月19日には、タカラバイオが保有するきのこ菌株の研究開発力・栽培技術力と、雪国まいたけの大量生産技術力及び全国販売網を相互に有効活用し、キノコの新たな市場形成を目指すとともに相互の企業価値向上を実現するために、業務提携に関する基本合意書を締結した。
 今般、合意に達し、業務提携契約を締結したもの。



難治性白血病の検査法に関する特許の独占的実施権を米社に供与 ( 2006/7/6 )
 タカラバイオと、米国インビボ・スクライブ社(InVivoScribe Technologies, カルフォルニア州)は、タカラバイオが保有する、悪性度の高い急性骨髄性白血病の主要原因であるフルトスリー(FLT3)遺伝子の変異検出法に関する特許の、全世界(日本を除く)における独占的通常実施権を同社に供与することを合意した。
 FLT3は主に未熟な骨髄細胞の表面に発現している受容体タンパク質で、初期造血の制御に重要な役割を果たしていると考えられている。FLT3をコードする遺伝子の一部の配列が重複する変異(ITD変異と呼ばれる)は、急性骨髄性白血病の難治性を示す遺伝子異常マーカーで、急性骨髄性白血病患者の約1/3で検出される。またこのFLT3/ITD変異が確認された症例では治療後の経過がよくないことが知られている。
 現在、このFLT3/ITD変異を持つ患者を対象としたより優れた薬剤の臨床開発が世界中で活発に行われている。FLT3/ITD変異の有無を検査することにより、この変異を標的とした薬剤を、投薬適応性を確認のうえ投与することが可能になり、的確な治療につながる。
 独占的実施許諾(ライセンス)契約により、インビボ・スクライブ社は、FLT3/ITD変異を検出するための検査試薬の開発・製造・販売や、遺伝子検査メーカーや大学病院付設の臨床検査センターへのFLT3/ITD変異検査に関する実施許諾(サブライセンス)を行うことができる。
インビボ・スクライブ社
白血病やリンパ腫などのPCR法による検査試薬の分野に強みを持つ米国企業で、造血器腫瘍関連のPCR検査試薬の製造・開発・販売や遺伝子検査技術のライセンス活動などを行っている。



明日葉の骨形成を活性化、骨量増加作用を岡山大学が確認 ( 2006/6/29 )
 タカラバイオの共同研究先である岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 咬合・口腔機能再建学分野の原哲也助教授らのグループは、骨粗鬆症を発症させたラット群に、明日葉粉末を摂取させると、骨形成が活性化され骨量が増加することを確認した。原助教授らはこれらの結果を、オーストラリアのブリズベンにて開催される国際歯科学研究会議(International Association for Dental Research)で2006年6月30日に発表した。
 タカラバイオは、明日葉に含まれる成分が、細胞を用いた実験において骨芽細胞における骨形成蛋白(BMP−2)の産生を約10倍に増強することを発見し、2002年10月に発表。
 現在の骨粗鬆症の治療薬は、骨分解を抑えることによって骨量の減少を防ぐという原理のものが主流。進行した骨の欠失を回復するものではなく、根本的な治療法とはならない。骨形成成分を含有する明日葉などの摂取によって骨形成能を高めることは、骨粗鬆症の予防と治療に有効であると考えられる。
 原助教授らは、6週齢のメスのラットに対し実験的に骨粗鬆症を発症させた。骨粗鬆症ラットのうち1群には、対照群として引き続き低カルシウム食を与え続け、もう1群には明日葉粉末を混ぜた低カルシウム食を与えた。この条件でさらに4週間飼育した後、骨粗鬆症ラットの脛骨(けいこつ:下腿骨のうち内側の太い方の骨)の骨量や骨形成の様子などを分析したところ、明日葉を与えたラットの方が、骨の形成が盛んになり、骨形成率が対照群に比べ約1.5倍に増加していることが確認された。今回の結果により、明日葉を摂食することによって実際に動物体内においても骨形成が促進されていることが明らかとなり、明日葉に含まれる有効成分が骨粗鬆症の治療薬となる可能性が示唆された。
●明日葉
 セリ科の大型多年草で、学名はAngelica keiskei。伊豆諸島を中心とした太平洋岸に自生する日本固有の植物で、関東地方では食用に供され、特に八丈島では不老長寿の霊薬として広く用いられている。その効用には、便秘、高血圧、貧血の改善、利尿作用、疲労回復、精力増強などがあるといわれる。
●骨芽細胞
 骨形成を担当するのが骨芽細胞であり、骨分解を担当するのが破骨細胞。骨芽細胞は骨の構成蛋白であるI型コラーゲンなどを合成し、血中からカルシウムとリンを取り込んで石灰化をおこすことにより骨を形成する。骨芽細胞は、骨髄中の間葉系幹細胞が分化することにより誕生する。加齢とともに骨芽細胞数が減少し、骨芽細胞の寿命も短くなることが知られている。
●破骨細胞
 骨組織において、骨の分解を司る細胞。造血幹細胞由来の単球・マクロファージ系の前駆細胞から分化し、複数の細胞が融合することで多核性の成熟破骨細胞となる。加齢や閉経に伴い相対的な活性が骨芽細胞より強くなり、骨粗鬆症を引き起こされると考えられている。
●骨形成蛋白(BMP−2)
 BMP−2は、1965年カリフォルニア大学のユリスト(Urist)らによって骨組織中から発見された、強力な骨形成活性を有する蛋白質。現在、10数種類のBMPが見つけられている。BMP−2は骨髄中の間葉系幹細胞から、骨形成を担当する骨芽細胞への分化を促進する働きをもつ。



PCR酵素と、逆転写酵素の新規酵素2種類を発売 ( 2006/6/18 )
 タカラバイオは高い正確性(フィデリティー)と優れたDNA増幅効率を併せ持つPCR酵素(PrimeSTAR(R) HS DNA Polymerase) に続く、1,000塩基対/5秒という世界最高の伸長速度を誇るPrimeSTAR(R) Max DNA Polymeraseを発売。
 PrimeSTAR(R) Max DNA Polymeraseは、PrimeSTAR(R) HS DNA Polymeraseをベースに、高フィデリティー酵素の特徴はそのままに、伸長速度促進因子により今までには無いPCRの伸長速度を実現した。従来のPCR酵素では、通常4時間かかっていた反応時間が、5分の1に短縮される。高効率、高フィデリティー、高スピードな特性をいかし、ハイスループットクローニングや遺伝子検査市場をターゲットにしていく。
 逆転写酵素は、RNAを鋳型にしてDNA(cDNA)を合成する酵素。 PrimeScript(TM)はタカラバイオが独自に開発した逆転写酵素で、他社の市販の逆転写酵素と比較して以下の特徴がある。
  1. 伸長性に優れており、長いcDNAが合成できる、
  2. cDNAが合成しにくい構造のRNAに対しても、効率よくcDNAが合成できる。



ガゴメコンブ・フコイダンをラットに経口投与すると、 静脈・動脈において血栓形成が抑制されることを発見 ( 2006/6/8 )
 タカラバイオのバイオ研究所は、カナダのサスカチュワン大学のヒーバート教授との共同研究により、ガゴメコンブに含まれている平均分子量が約20万の高分子フコイダンをラットに経口投与すると、血栓形成が抑制されることを発見した。
 2005年の日本人の死因は、1位のがんに続いて、2位は心疾患、3位は脳血管疾患。心疾患及び脳血管疾患は、血栓症に由来するものが主となっており、社会の高齢化及び食生活の変化に伴い、血栓症が注目される。
 タカラバイオが機能性食品素材として開発している硫酸化多糖であるガゴメコンブ・フコイダン(平均分子量 約20万)をラットに経口投与すると、静脈および動脈の内皮細胞にフコイダンが接着すること及び静脈や動脈での血栓形成を抑制することを発見した。タカラバイオでは、血管の内皮細胞に接着したフコイダンにより、血栓形成に必要な血小板などの成分が血管内皮細胞に接着するのを妨害することによって、血栓の形成が抑制されると考えている。
また、分子量約20万の高分子ガゴメコンブ・フコイダンは強い血栓形成抑制作用を示すことを明らかにした。さらに、血栓形成を効率よく抑制するためには、多糖類が高度に硫酸化されていることが重要であることが示唆された。ガゴメコンブ・フコイダンは硫酸化されている程度が、他の様々な褐藻類に含まれるフコイダンに比べて圧倒的に高く、この高い硫酸化度が効果的な血栓抑制に対する重要な因子であると考えられる。ガゴメコンブ・フコイダンは天然の多糖のなかで最も硫酸化度の高い多糖と考えられている。
○フコイダン
 コンブ、ワカメ、モズクなど、褐藻類に属する海藻のヌメリ成分の一つ。ガゴメコンブでは乾燥重量の約5%含まれる。分子量20万をこえる巨大な多糖で、硫酸化L−フコースを構成成分とする硫酸化多糖の総称。
○F−フコイダン
 ガゴメコンブ・フコイダンは、グルクロン酸を含むU−フコイダンと硫酸化フコースだけからなるF−フコイダン、ガラクトースを含むG−フコイダン等に分画され、タカラバイオがこれらの化学構造を明らかにした。



レトロネクチンを用いた遺伝子治療の臨床効果を学会で発表 ( 2006/5/30 )
 タカラバイオバイオ研究所の共同研究先である北海道大学医学部小児科有賀正教授らは、アデノシンデアミナーゼ欠損症(ADA−SCID)の小児患者2例に対して実施したレトロネクチン(R)を用いた遺伝子治療の臨床効果について5月31日から米国メリーランド州ボルチモアで開催される米国遺伝子治療学会(American Society of Gene Therapy)で発表。
 この遺伝子治療においては、それぞれの患者さんより採取した造血幹細胞を多く含む骨髄細胞に、レトロウイルスベクターを用いて正常なADA遺伝子を導入した後、これらの遺伝子導入細胞を患者さんの体内に戻した。この遺伝子導入法には、高効率遺伝子導入法として世界的にスタンダードとなりつつあるタカラバイオのレトロネクチン法が使用されている。2人の患者さんは、2年以上前にこの治療を受けており、その後の経過が順調であり、今のところ重篤な副作用の出現はない。
 また、レトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療では、治療用遺伝子が遺伝子導入した細胞のゲノム上にランダムに挿入され、その挿入部位によっては近傍の遺伝子を活性化する可能性がある。北海道大学で遺伝子治療を受けた患者さんのフォローアップのため、LAM−PCR法によるADA遺伝子の挿入位置の解析を当社と共同で行ったところ、問題となる挿入変異は起こっていないという結果が得られた。



キノコ事業における(株)雪国まいたけとの業務提携 ( 2006/4/20 )
 タカラバイオは、雪国まいたけとの間で、キノコ事業について業務提携・関係強化を図る。
○業務提携の趣旨
 タカラバイオは、雪国まいたけに「ぶなしめじ」菌株のライセンスアウトを行い、雪国まいたけが「ぶなしめじ」の製造販売を行っている。今回の提携はその関係を強化し、タカラバイオがもつきのこ菌株の研究開発力・栽培技術力と、雪国まいたけの大量生産技術力・全国販売網を相互に有効活用しようとするもの。
業務提携の内容
(1)タカラバイオ及び子会社の瑞穂農林株式会社が生産するハタケシメジの雪国まいたけによる販売
(2)タカラバイオが生産するホンシメジの雪国まいたけによる販売
(3)タカラバイオが開発したハタケシメジ及びホンシメジの雪国まいたけによる生産及び販売
(4)その他両社の協議により合意した菌種の生産及び販売



抗がん成分の高効率生産法を開発 ( 2005/9/14 )
 タカラバイオは、ブナシメジから従来に比べ30倍の高効率で抗がん成分ポリテルペンを生産する手法を開発し、その成果を札幌市で開かれる日本がん学会で発表した。



1本鎖RNAの特定配列を認識し切断破壊する7種の新規RNA干渉酵素を発見 ( 2005/8/17 )
 タカラバイオは、世界に先駆けてRNA干渉酵素(mRNAインターフェレース)の探索やRNA干渉酵素を用いた遺伝子発現制御法を開発してきたが、このほど1本鎖RNAの特定配列を認識して切断するRNA干渉酵素をさまざまな細菌からスクリーニングし、新たに7種のRNA干渉酵素を発見した。
 また、RNA干渉酵素の利用が最も期待される遺伝子治療への応用の第一歩として、エイズウイルスから特異的に発現するTatタンパク質によって、RNA干渉酵素の一つであるMazFの発現が誘導され、産生されたMazFの作用によりTat遺伝子を導入した細胞のみに細胞死が誘導されるモデル実験系を作製し、その効果を確認した。
RNA干渉酵素が製品化されれば、エイズウイルスを死滅させる画期的な遺伝子治療・予防法の開発や機能性RNAの機能解析などに道を開く。



遺伝子治療用の閉鎖系遺伝子導入システムを開発 ( 2005/5/31 )
 タカラバイオ株式会社は、レトロウイルスベクターの保存安定性を飛躍的に向上させることに成功した。本法は、レトロネクチン(R)をガス透過性プラスチックバッグ内面に固相化しておき、さらにこの固相化レトロネクチン(R)に遺伝子導入用のレトロウイルスベクターを結合させ、ベクター産生細胞に由来する不純物質を洗浄除去しておくことにより、4℃におけるレトロウイルスベクターの保存安定性を向上させるもの。
 この研究成果を6月1日から米国セントルイス市で開催される第8回米国遺伝子治療学会で発表する

http://www.takara-bio.co.jp/news/2005/05/31.htm


国立がんセンターと共同研究契約を締結 ( 2005/5/16 )
 タカラバイオは、国立がんセンターと白血病の遺伝子治療・臨床試験に向けた共同研究契約を締結した。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2005/05/16.htm


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